WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.272
ウェイン・ショーター『ナイト・ドリーマー』(1964)
ウェイン・ショーター(ts)
リー・モーガン(tp)
マッコイ・タイナー(p)
レジー・ワークマン(b)
エルヴィン・ジョーンズ(ds)
1964年4月29日、ニュージャージーにて録音
曲目(LP初発売時):
01.ナイト・ドリーマー
02.オリエンタル・フォーク・ソング
03.ヴァーゴ
04.ブラック・ナイル
05.チャコール・ブルース
06.アルマゲドン
【アルバム紹介】
1.レジェンド級テナーマンのひとり、ウェイン・ショーター
2.ブルーノート・レーベルでの初リーダー作
3.全曲自身のオリジナル、メンバーは豪華な顔ぶれ
クインテット編成の名盤、レジェンド級テナーマンのひとり、ウェイン・ショーターのブルーノート・レーベルでのリーダー・アルバムを取り上げます。
本作はウェイン・ショーターにとって、ブルーノートでの初リーダー作で、キャリアの中では、1959年に参加したアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズから、マイルス・デイヴィスのクインテットに移る直前の時期のレコーディングといえるものです。ゆえに、ザ・ジャズ・メッセンジャーズの持つハードバップ・テイストとマイルス・クインテットのモーダルなジャズが共存したような音楽が展開されています。
楽曲は全曲自身のペンによるオリジナルになっており、メンバーには、トランペットのリー・モーガン、ベースのレジー・ワークマンはザ・ジャズ・メッセンジャーズの盟友、そこにジョン・コルトレーンのカルテットのピアノのマッコイ・タイナー、ドラムスのエルヴィン・ジョーンズが加わった豪華な顔ぶれになっています。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
アップテンポで躍動感あふれる“ブラック・ナイル”。
ウェイン・ショーターの書くオリジナル曲は楽曲の雰囲気やハーモニーなど独特で完成度が高いものが多く、本作もそんなナンバーであふれています。その中からこの“ブラック・ナイル”を聴いてみましょう。
曲はトランペットとテナー・サックスのユニゾン、もしくはハーモニーで奏でられる特徴的なテーマを持っており、テーマの提示が終わると、ウェイン・ショーターのテナー・サックスのソロが始まります。自由奔放にブロウしつつ、多彩なフレーズを繰り出しながら進行してゆきます。続いて、リー・モーガンのトランペット・ソロとなり、ひらめきのプレイが光ります。次はマッコイ・タイナーのピアノ・ソロが躍動し、そして最後はエルヴィン・ジョーンズのドラム・ソロへと移ってゆき、やがてテーマに回帰しエンディングとなります。
60年代はアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズからマイルス・デイヴィス・クインテット、70年代から80年代にかけてはスーパー・フュージョン・グループ、ウェザー・リポートや、オール・スターによるVSOPクインテットで活躍するなど、数多くの名プレイで魅了してきたウェイン・ショーターさんですが、2023年3月に亡くなり、各方面からその死を惜しむとともにたくさんの追悼の声が寄せられました。89歳でした。
国内盤SHM-CD
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掲載: 2024年04月19日 10:00