椎名林檎|これは聴くべき‼タワレコスタッフが選ぶベスト26曲
2024年5月27日、椎名林檎26周年イヤー突入!!!
そして5年ぶりのニューアルバム『放生会』が満を持して世に放たれました。
アルバムのリリースと26周年をお祝いすべく特集ページを開設!!!
題して『これは聴くべき‼タワレコスタッフが選ぶ椎名林檎ベスト26曲』
ボリューム満点の26曲をテーマ別に徹底レコメンド!!
椎名林檎が生みだした愛する楽曲群をとことん語らいましょう。
New Album『放生会』
▼CD
▼LPレコード
目次一覧
▼アルバム『放生会』より
▼まだまだ語りたいコラボ楽曲5選
▼映画・ドラマから生まれた忘れられない名曲
▼椎名林檎の描く女性像
▼26年愛される「これぞ椎名林檎」名曲群
▼あわせてオススメ
アルバム『放生会』より
まず語るべきは何といっても『放生会』。
album ver.として新たに収録された楽曲と、全11曲のうち7曲の豪華女性アーティスト陣とのコラボレーション楽曲が26周年を盛大に、華やかに飾り、彩ります。
今回コラボするうえで林檎さんは事前に7人の姫たちのために楽曲を用意し、もし断られてしまったら実現はあり得なかったというほどに情熱を燃やしていました。
いったいどんな曲に仕上がっているのか、まだ聞いていない皆様も、もうすっかり虜になっている皆様もこちらで共有しましょう!!
「ちりぬるを」椎名林檎と中嶋イッキュウ(tricot,ジェニーハイ)
死を悲しみ、慰める弔いがテーマの本楽曲は一見それを表すのは重たいけれども、イッキュウさんの持つ歌声ならその重さを中和できると確信して挑むことができたのだそう。送り出さなければいけないという体裁を解いて「しんどい」「あいたいです」などの本音をストレートに繰り出す素直な気持ちを描いていると知って聞くと、何倍も深みを感じる至極の一曲。
「生者の行進」 椎名林檎とAI
デビュー当時からAIさんのファンであったという林檎さん。ずっと一緒に音楽をやりたいと思っていた想いがついに実り、今回選び描いたテーマは「母性や親心」。生命力を爆発させているこの曲は同じくそのパワーに満ち溢れているAIさんとだから成し得たもの!!
「初KO勝ち」椎名林檎とのっち(Perfume)
まさかのコラボが実現。のっちさんの歌声はこんなにも美しかったのか…!?Perfumeの近未来的な歌とダンスとは打って変わり、新たな一面を魅せるのっちさんに追いつくのもつかの間、林檎さんとのスパークリングは徐々にヒートアップし、2人の女性の強さのぶつかりあいに聴き惚れるうちにとっくに3分半が経ちKOされていました。
「浪漫と算盤 TYO album ver.」椎名林檎と宇多田ヒカル
同じ1998年にデビューした同期である2人のコラボ楽曲であり、これまでTYO Ver.とLDN Ver.との2曲が発表されていた本楽曲がTYO album ver.としてさらにパワーアップ。ギター、シンセ、ピアノがクリアに際立ち、よりジャジーに豪華なアレンジで、オリジナルをさらに超越しています。「宇多田ヒカルと椎名林檎」という文字だけでゴージャスですが、この曲でさらに優雅な空間に誘われることでしょう。
「ドラ1独走」椎名林檎と新しい学校のリーダーズ
元東京事変のヒイズミマサユ機さんとはまた違った別軸でプロデュースされた本作。SUZUKAさんの歌声は、椎名林檎との融合を経て輪郭が一層はっきりとし、youtubeに公開されたMVではMIZYUさん・RINさん・KANONさんが林檎ワールドに順応している。「オトナブルー」を歌っていた彼女たちと同一人物??実態を是非確かめて。
「余裕の凱旋」椎名林檎とDaoko
心臓から「ずきゅん」という音が聞こえてくるキュートな音楽…だけじゃない!!うわべだけで判断できない2人の芯の部分がちらり。打ち込む姿も戦った痕も努力だって決して見せない真摯さがここに。可愛いくて強いなんて太刀打ちできない…!クラクラしている私たちを横目に余裕の凱旋が通り過ぎます。
「ほぼ水の泡」椎名林檎ともも(チャラン・ポ・ランタン)
この唄、健康に善いんです。落ち込んだ時、再生していいそうです。ももさんの底抜けの明るい歌声と誘いにMVでも振り回される林檎さんでしたが、まんざらでもなく最後はただただ楽しむままに!!失敗も成功も全部お酒の肴にして2人と酔いしれるが吉です◎
まだまだ語りたいコラボ楽曲5選
女声のコラボ楽曲とまた打って変わり、男声とのコラボ楽曲でも名曲を創作している林檎さん。
アルバム『三毒史』でコラボレーションした3組のアーティストに加え、もれなく聞いてほしい2組のアーティストも選出!
MILLENNIUM PARADE × 椎名林檎「W●RK」
2組のダークヒーローがタッグを組んだ圧巻の楽曲。林檎さんの絶対的なボーカルをMILLENNIUM PARADEのモダンなアレンジが見事に融合し、何度も聴きたくなる中毒性の高い一作。そしてMVにも要注目。車が真っ二つに切られるあのシーンで林檎さんの代表曲が令和の時代に思い起こされます。
浮雲(長岡亮介) × 椎名林檎「長く短い祭」
東京事変というグループの枠を超えて創り出した本楽曲は、流れた瞬間に自然と夏を意識する夏の風物詩となりました。遊び心たっぷりの非常にお洒落な夏です。曲の最後に浮雲さんが歌うあのフレーズで東京事変だ!と嬉しくなりますよね。
宮本浩次 × 椎名林檎「獣行く細道」
タイトルの獣を体現できるのはまさに溢れんばかりのエネルギーを持つ宮本浩次さん。圧倒的なパワーとインパクトでその道を猪突猛進していくよう。内に秘めていた林檎さんの獣も目を覚まして、激しく命を燃やす様を高らかに歌い合うコンビネーションに心が奪われます。
トータス松本 × 椎名林檎「目抜き通り」
オーケストラがピアノが、サックスが奏でる音楽で、もしかしてミュージカルを見ているのではないかと思える3分16秒。それぞれドラマを持った人々が往く喧騒の中を、ひときわ輝きをまとって歩く二人の姿が目に浮かびます。誘われて目抜き通りに踏み出したならば、重たかった頭が前しか向けなくなっていることでしょう。
雷がとどろくように二人が共鳴した歴史的なコラボレーション。ゲームのラスボスと対峙するような重たいEDMと激しいドラムに気圧されてしまうほどに禍々しい楽曲。二人が駆け落ちようとする世界はこの世のものにあらず。
ドラマから生まれた忘れられない主題歌
圧倒的な存在感を放つ林檎さんの音楽作品が映像作品とリンクしたとき、目から耳から得る情報量にとても追い付かないほど感情が動きます!
その中でも忘れられない主題歌4選をラインナップ!
「人間として」
2024年4月にリリースされた「人間として」は石原さとみさん主演ドラマ「Destiny」の主題歌。人々が信じていた正義とは何か、考えれば考えるほどゲシュタルト崩壊してしまうような、その壊れていく様子を美しく妖しく歌う林檎さんに怖さすら感じる楽曲。
「おとなの掟」
2017年放送のドラマ「カルテット」主題歌。松たか子さん、満島ひかりさん、松田龍平さん、高橋一生さんの4人から成るカルテット「Doughnuts Hole」に提供された楽曲であり、4人それぞれの弦楽パートも考慮して作曲された。セルフカバーver.は宇多田ヒカルさんと同じく同期である松崎ナオさんと歌唱している日本語版と林檎さんが単独で歌唱する英語版があり、4人と、2人と、1人と聞き比べるのも楽しみ方の一つ。
「自由へ道連れ」
2012年放送のドラマ「ATARU」主題歌。「焦燥や怒りを自由な音楽で解放してほしい」というリクエストに悪戦苦闘したものの、その要望に見事にこたえた本曲はドラマと合わさって見ている人々にいくつもの感動を与えたのではないだろうか!!そして演奏陣も豪華で、POLYSICSのハヤシさん(Gt.)、GOING UNDER GROUNDの石原聡さん(Ba.)、Dragon Ashの桜井誠さん(Dr.)が担当している。
「公然の秘密」
2019年放送ドラマ「時効警察始めました」続編主題歌。三木聡監督作品をこよなく愛している林檎さんは作曲に着手する瞬間から完成までずっと幸せだったと語る。また、新アルバム「放生会」にもalbum ver.として新たに収録!2024年の現在に再び林檎さんの「ギター…!」を待っていた林檎班の皆さま、リピート確定ですね。
椎名林檎の描く女性像
かつて音楽番組で自身の作品を「女の子たちの人生のサントラになってほしい」とも話しているほどに、林檎さんが描く楽曲において大きなひとつの柱ではないかと思う「女性像」。
その「女性の人生の変遷」をあらわしているのではないかと思う4曲を選出いたしました!
「カプチーノ」
1999年、ともさかりえさんに楽曲提供された「カプチーノ」。少女らしい可憐さがキラキラときらめいているこの楽曲のセルフカバーver.を聞くと、デビュー当初「早く熟して、深みと説得力を持ちたい」と願っていた林檎さんが歌いかけてくるような心地に。
「おいしい季節」
こちらの曲も2011年に栗山千明さんのために楽曲提供されたもので2017年に自身でもカバー。当時は林檎さんが作詞・作曲したうえに、東京事変が演奏したことでも話題に。女性の魅力が最高潮になった瞬間を逃さないでという刹那を、早く食べないと溶けてなくなってしまうアイスクリームに例えている。
「カーネーション」
2014年にリリースされたアルバム『日出処』に収録された一曲。母の日に贈るカーネーションが題された本楽曲は同タイトルの連続テレビ小説「カーネーション」の主題歌として提供されたもの。「本当に欲しいもの等 唯一つ、唯一つだけ」という歌詞は、女性同士で理解しあえる感情と矜持を表す一曲。
「ありきたりな女」
「カーネーション」と同じくアルバム『日出処』に収録された本楽曲はその母としての表現を男性と女性のどちらにも伝わるように進化させたものだという。「わたしは今やただの女。さよなら、あなた不在のかつての素晴らしき世界 GOOD BYE」と母親になってから見つめていくもの、その使命とけじめをありありと見せてくれる楽曲。
26年愛される「これぞ椎名林檎」名曲群
いよいよ本ページのクライマックス到来!
椎名林檎が始動した1998年から今年2024年に至るまで色褪せずに愛され続けている5曲をラインナップ!
「本能」
1999年にリリースされたこの曲を書いたのはまだ19歳の時。MVではナース服でガラスを蹴破るなど、愛や刺激への渇きの表現の仕方にゾクゾクしますよね!!一見聞くと尖って荒々しくも感じるけれど、歌詞を改めて確認すると言葉遣いがどれも綺麗なものばかりで、感情を表すための言葉選びのセンスがずば抜けているのも林檎さんの音楽作品の魅力の大部分です。
「ここでキスして。」
同年1999年にリリースされた本曲も紛れもなく林檎さんの代表作。恋愛ソングですが、恋している女性がどんな性格か、どんな恋愛をしているのか、月並みですが1本の映画を見ているようにその映像が浮かんできます。好きな人のどこが好きかを繊細に描写し、構成されているこの曲で「大好き」と伝えているのは1か所のみなのもすごいですよね。
「罪と罰」
コラボ楽曲MILLENNIUM PARADE × 椎名林檎「W●RK」でMVの車が真っ二つになるシーンについて触れましたが、同じシーンがあるのをきっかけにこの「罪と罰」のMVに訪れる人が多いそう。また昨年2023年にリリースされたAdoさんの「Adoの歌ってみたアルバム」でもカバーされるなど、確かに引き継がれている逸品。決して真似できないようなボーカル、世界観など、特に異才さを放っているこの楽曲がいつの時代も人々の目と耳を奪っているようです。
「丸ノ内サディスティック」
もしかしたらこの曲を知らない日本人はいないのではないかというくらいに長く長く親しまれている曲。そのバージョンも「EXPO ver.」「neetskills remix」「東京事変ver.」など様々に形を変えて残されてきました。ピアノやドラム、ハーモニカ、ベース音が心地よく刻まれながら、林檎さんのたっぷりとしたボーカルが混ざり出来上がったハーモニーで非現実へも行けてしまいそう。
「ありあまる富」
忙しなく日々を送っていると歌詞の通り妬むばっかりの世界に嫌気がさしてしまいそうですが、この曲のゆっくりとしたアコースティック調のリズムとメッセージが緊張をほぐしてくれるよう。書いた当初はこの曲を歌うことがつらかったけれども、その苦い経験こそが命を吹き込み、これからも歌わないといけないと自覚したとインタビューで語っていました。他者に侵されない自身の価値を気づかせてくれるこの曲を私たちも繋いでいくべきですね。
「幸福論」
1998年5月27日にリリースされた記念すべき1stシングル!その人そのものをまるごと愛する姿勢は、一貫してこれまで紹介してきた楽曲たちに通じるものがあります。林檎さんが論じる「幸福論」は26年の時を経ても変わらずここにありました。椎名林檎の新たな作品もこれまでの作品も多くのファンの皆様を幸福にすると信じて!
最後までお読みいただきありがとうございました!!26周年万歳!!
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掲載: 2024年05月30日 11:28