Tele スタッフコラム【第1回】楽曲「残像の愛し方」について語ってみた。

Teleファンのスタッフによるコラム連載がスタート！
何回かにわたり、好きな歌詞や楽曲のポイントなどを語ってまいります！

記念すべき第1回では、アルバムの1曲目である
楽曲「残像の愛し方」について
タワーレコード オンラインスタッフ2名が自由に想いを語ってみました。

好きな歌詞とポイント

笹：では早速夏さんに質問です！この「残像の愛し方」という曲で、ここが好き！っていうポイントはありますか？

夏：はい！私は「風呂桶が映した僕を」から始まる歌詞がお気に入りです。MVを観ていても、日常の何気ないときにふっと思い出す情景が表れているなあと感じます。初めて曲を聴いた時は「風呂桶」という歌詞が出てきた瞬間にちょっとびっくりして、新しい！と思いました。

笹：確かに！風呂桶って言葉、すごく日常的ではあるけれどなかなか曲の中で聴かない気がする。独特のワードセンスがすごくいいですよね。

夏：ですね！その「風呂桶」から始まって、「瞼の裏にこびりつく君だけが 乾いた暮らしの残像」っていうところは、もうずっと忘れられない人が頭にいて、目を閉じたら会えるけど、目を開けたらいなくなってしまうから、ずっと目を閉じて見ていたい、っていうことなのかなと。

笹：まさに「残像」だ。

夏：もうこの一文に全部詰まってるなあ、と思って、ここがすごくお気に入りなんです。

笹：目を開けたらいなくなってしまう、現実にはいない君…切なさを感じますね。にしてもその状況の表し方が巧妙で素敵すぎる。

夏：はい、本当に！笹さんは好きな歌詞ありますか？

笹：私は一番最後の歌詞で、「愛し方なんかずっと間違え続けよう」から始まる部分に感銘を受けました…。過去の失敗や後悔とかもこの一文で肯定されるというか、救われた感じ。結局愛し方に正解なんてなくて、過去の拭いきれない思いや出来事、つまりは残像たちが今の自分、これからの自分を作っていくんだな、今やこれからを生きていくことがすなわち残像を愛するということなんだなあとしみじみ思いました。

夏：そうですね、この歌詞もすごく素敵ですよね。すっと心に入ってきました！

笹：うんうん、聴いた後に心が軽くなった気がする。

夏：確かに、曲の序盤から「残像」に後ろ髪をひかれてずっと心にひっかかっているけれど、最後の歌詞でその気持ちが昇華されて。ポジティブな方向に変わって終わる、というのが聴く人にとっても救われる感じがしますよね。

笹：まさに！最後の部分で前を向いて、未来に向けた歌になる感じが展開として素敵ですよね。

夏：あと歌詞のほかにも好きなポイントがあって、それが「クラップ」と「ベース」です！この曲は冒頭からクラップが入っていますが、ライブではみんなでクラップしながら聴くのかな、とか想像してわくわくしています。

笹：確かにこの曲は全編を通してクラップが鳴っていますよね。そういった意味ではライブ感もある楽曲なのかも。ライブでみんなでクラップしたりコーラスしたりする瞬間、最高ですよね。全く知らない人同士なのに、ここに集まった人全員Teleが好きなんだと思うとそれだけでもう幸せな感じ。

夏：はい、ライブのあの空間は本当に最高ですよね！そして「ベース」については、曲のなかで結構ベースラインが動いていて、ボーカルと同じくらい歌っている感じがするのが聴いていて面白かったです。

笹：確かに歌ってますね！しかも良い意味で気が張ってなくて、すごく自由で楽しい感じ。Teleの楽曲って、楽曲を構成する1つ1つの要素が際立って聴こえる気がします。それぞれの音が意思を持っているような。

夏：うんうん。聴いてすぐTeleの楽曲だってわかる、「Tele節」がきいていますよね！

MVについて

笹：あと、さっき夏さんが言っていた「日常を切り取っている」というところに私もすごく共感しました！MVを観ていても、見たことある瞬間、懐かしいものがとても多いですよね。序盤のカーブミラーに映っている自分を見る場面とか、お風呂のアヒルとか。あと公園にある不思議な遊具も。

夏：私もすごく思いました！この光景見たことある！って。この道を誰と歩いたとか、こういうシチュエーションであの人と一緒にいたとか、何気ない場面でも結構フラッシュバックすることってたくさんありますよね。

笹：あるある。頭に刻み込もうとして残るような思い出じゃないけど、ふとした瞬間が凝縮されていて、MVを観てこの曲がさらに身近に感じました。生活の絶妙なところが切り取られていますよね。

夏：あとYouTubeのコメントを観ていると、「残像」の捉え方が人それぞれだったのが印象的でした。「恋人」と捉える人もいれば、「学生時代」と捉えている人もいて。これまで何気なく過ごしていた日々が「残像」になってゆくんだな、愛したいと思える日々を送れていたんだな、と過去に想いを馳せるコメントも多かったです。そういう刺さり方もあるんだなあ、と。

笹：確かに、人それぞれの「残像」とその「愛し方」があるんだなって感じますね。この曲自体もいろんな人にいろんな見方で愛される曲ですね。

「残像の愛し方」とニューアルバムについて

夏：今回のアルバム名「残像の愛し方、或いはそれによって産み落ちた自身の歪さを、受け入れる為に僕たちが過ごす寄る辺の無い幾つかの日々について。」は結構インパクトのあるタイトルですよね。でもこの「残像の愛し方」という曲を聴いて、MVを観ると、このタイトルがすっと入って来る気がします。過去の「残像」が付きまとってくるけど、どう過ごしたらよいのか、というのを日々の中で思い出しては消化して、思い出しては消化して。そうやって段々ポジティブになれていく。そんな様子を綴っているのかなと。

笹：なるほど、素敵な解釈ですね！私もこのタイトルを初めて見た時は驚きましたが、それと同時にTeleだなあ、となんだか嬉しくなりました。何ていうか、溢れる思いも、自分の中での葛藤も、感情の機微でさえもしっかり言葉で綴ってぶつけてくる感じ。楽曲を聴くたびに、どんどん味わい深いものになっていく気がします。

夏：聴けば聴くほどはまっていきますね。最初に「残像の愛し方」を聴いた時は切ないドラマのエンドロールのような雰囲気があるなと思ったのですが、笹さんが言っていた最後の歌詞で前向きになるというところで、エンドロールじゃなくてオープニングだったのかも、と思いました。

笹：この曲がアルバムの1曲目という意味でも、始まりを告げるオープニングの曲なのかもしれないですね。背中を押してくれるこの曲から幕開けのアルバム、通しでじっくり聴くのが本当に楽しみです！

第1回　おわり

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