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第6回 ─ MOODMAN

連載
NEW OPUSコラム
公開
2003/02/20   11:00
更新
2003/02/20   17:09
ソース
『bounce』 239号(2002/12/25)
テキスト
文/池田 謙司

彼の音楽的滋養と東京のムードを詰め込んだ特濃ミックスCD『WEEKENDER』!!


 それまで音楽にさして興味がなかった中学生が、部活の帰りに友達に誘われて貸しレコード屋へ。「ジャケットがおもしろかったから」という理由で、テキトーに貸りたのが、ブリストルの伝説的ダブ・ノイズ・バンドであるポップ・グループの『Y』だった。それを聴いた瞬間から、この少年の音楽人生は衝撃的にスタートした。MOODMAN若かかりし日のことである。以来、ダブを中心にパンクやヒップホップなど、さまざまな音楽に没頭し、「(アフリカ・)バンバータが速くなってる!」と感じたテクノ・レーベル、トランスマットとの出会いから四つ打ちにハマっていく。DJとして活躍するようになった彼は、90年代前半には自身のレーベル、DUB RESTAURANTも運営していた。そして近年では「なぜか声がかかるようになって」精力的にDJ活動を展開中。空間を重視した奥行きのあるハウスをメインに、雑多で造詣の深い音楽趣味に裏打ちされたスタイルで、彼のアンダーグラウンドな人気は浸透している。ただクラブという〈現場〉に足を運ばないとその魅力はなかなかわかりづらく、〈名前は知っているけれど……〉って人は多いはず。そんな人にこそ聴いてもらいたいMOODMANの名刺代わりのミックスCD『WEEKENDER』が登場!

「普段やってるセットに近いです。クラブでプレイしている感じをキープしつつ、例えばワンルームで聴いても生活の邪魔にならないように心掛けました(笑)」。

 懐深いフレッシュなグルーヴの裏に大人の気遣い。本作ではDJハーヴィ好きな彼らしく、ダブ/ハウスを幅広い解釈でミックスしていて、底知れぬMOODMANワールドの最良の部分を堪能できる。ただし、「作品を残すことには全く興味がない」人なので、この次はいつ作品が発表されるのかわかりません。それだけに、本作は貴重なのであります。

「いまの東京って、カラーがバラバラでおもしろいなぁと。スモール・サークルでやってた人同士の往き来がはじまってて、すごい猥雑な感じがまた復活してる」。

 クラブ・シーンの最前線にいる彼が感じ取っている変化。ひとつのジャンルに腰を落ち着けているワケではない彼にとって、いまのシーンはかなり刺激的なようだ。

「自分の作品? いやぁ、クラブでかけてみて反応が良ければ、ホワイト(白盤)切って、仲間のDJにあげる。それぐらいでイイかなぁ」。

 楽しそー、現場。

▼MOODMANがプロデュースしたコンピレーション・アルバムの一部を紹介。


96年の『キルド・バイ・ベース』(Pヴァイン)


97年の『インテリジェント・ベース』(cutting edge)