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第13回 ─ Dave Matthews

連載
NEW OPUSコラム
公開
2004/02/12   18:00
更新
2004/02/19   18:50
ソース
『bounce』 250号(2003/12/25)
テキスト
文/村上 ひさし

セントラルパークでの大規模コンサートを成功させ、〈全アメリカ人気〉を我がものにするデイヴ・マシューズが作品を大量リリース!!


  2003年のNYでもっとも大きな音楽イヴェントといえば、まぎれもなくデイヴ・マシューズ・バンドによるセントラルパークでのフリー・コンサート(9月24日)ってことになる。セントラルパークで開催されるコンサートの規模は毎回まちまちだが、彼らがやったのは〈グレートローン〉と呼ばれる広大な芝生の上。かつてのサイモン&ガーファンクルやダイアナ・ロスのコンサートと並ぶ歴史的イヴェントと相成った。その模様が『The Central Park Concert』として3枚組CDと、2枚組DVDという形でそれぞれ日の目を見ることになった。ジャズ仕込みのドラム・プレイやヴァイオリン奏者のいるインプロヴァイズ系バンドとして知られる彼らだけに、じっくり3時間も掛けてグツグツと煮詰められていくプロセスは圧倒的としか言いようがない。実際その場でライヴを体験した筆者は、単に〈演奏が上手い〉〈凄い〉どうこうではなく、オーディエンスの温度を掴みながらピンポンしていくプレイにあらためて舌を巻いてしまった。夏の終わりにしてはかなり肌寒い夜ではあったが、こんなにもじっくりと音楽やプレイに目と耳を傾ける人々が多くいる事実にも驚かされた。ゲストにはお馴染みのウォーレン・ヘインズが参加して、ジミヘンばりの凄まじいギター・プレイで男汁を飛ばしまくり。その模様はディスクにもきちんと収録されている。いやはや圧巻……。90年代以降、全米でもっとも観客を動員できるバンドとして君臨する彼らの魅力は、まさにこういったライヴ盤でこそ感じ取れるに違いない。

 そしてバンドとは別にデイヴ・マシューズ名義による初のソロ・アルバムも発表された。その『Some Devil』は、彼のソングライターとしての資質に焦点を当てた作品。ややムーディーで暗い印象もあるが、ゆっくりと肌に馴染んでいく柔らかさは快感だ。スティングから色気を抜いてチャーミングにしたかのようなヴォーカルも魅力的。自称音楽通なら、ぜひとも通っておきたい作品だ。


DVD版「The Central Park Concert」(RCA)