チアーズ! 乾杯だ。バンバータがカムバックしたのだ。82年、衝撃の“Planet Rock”を世界に投下したトミー・ボーイにふたたび戻ってきたのだ。およそ20年ぶり。これは事件だ!
「そうさ、オレに初めてビジネス・チャンスを与えてくれた特別なレーベルだ。トミー・ボーイは2000年に20周年記念パーティーをやったんだが、そこで久々に(オーナーの)トム・シルヴァーマンと会ったんだよ。彼はこう話しかけてきた、〈20年の絆を再確認するものが欲しい〉と。わかるだろ? オレに用意された返事はひとつしかない」。
90年代以降、USブラック・ミュージックの急激な変化に伴ってR&Bやラテン・ポップにも手を染めていったトム・シルヴァーマンだが、言うまでもなくバムに求められているのはそういったものではない。熱く激しくダンサブルで、オーヴァーグラウンドもアンダーグラウンドも吹っ飛ぶ、理屈抜きの直球系ヒップホップだ。
「そういうのが求められる時代がそろそろ来るだろうとトムは見通したんだろうな。嬉しい限りさ。そもそもいまのヒップホップには退屈なところがある。女性蔑視をしたり、Fワードが多かったり。ヒップホップというのはみんなをハッピーにしなくちゃいけない。わかるだろ? ダンス・ミュージックさ」。
ごもっとも! 今回の新作『Dark Matter Moving At The Speed Of Light』、どこを切っても溢れ出るのはバム汁。〈今年のトレンドはどうの〉なんてスカしてる人間は横っ面を平手打ちされます。そのくらい楽しくわかりやすく、そして何より強力! 先行シングル“Metal”なんか、ゲイリー・ニューマンを引っ張り出してきて歌わせてるのだから(しかも途中にブロンディの80'sヒット“Heart Of Glass”のワンフレーズまで登場)。今どきこんな人、地球上にいたんです!
「共同プロデュースにあたったポール・デイリー(元レフトフィールド)のアイデアをもらったんだ。もちろんニューマンは昔からオレのアイドルだ。ここでもそうだが、彼らがやってきたテクノ・ポップをエレクトロ・ファンクに作り替えるのが、いつものオレのやり方だ。こういうのでBボーイ、Bガールは喜ぶんだよな」。
バムさん、実はこの新作プロモーションと並行して、野外フェス〈METAMORPHOSE〉でひと仕事を済ませてきた。
「いや~、日本のダンサーは反応が鋭いよな。エレクトロの復興を確信させられたよ(注:あわやステージ崩壊となるほどの集客だった)」。
でもこのインタヴューには2時間遅れで対応してます。
「いや、すまない。秋葉原にはどうしても行きたかったんだ。なのに目当てのMDプレイヤーは買えなかった(苦笑)」。
その代わりに京都のお寺巡りはバッチリ。
「DJをした翌朝に出かけたよ。日本に来たときは必ず廻るようにしてる。オレが主宰するズールー・ネイションは、全世界に奉られてる神々の教えの結晶だからな。今回の新作でも、そういったスピリチュアルなことを唱えてるんだ」。
とてつもなく肉体的かつ快楽的で、そこから精神的な安らぎすら導くバムって、やっぱ凄い、素晴らしい!