これが真のヒューストン・マナーだぜ!!

カミリオネアの“Ridin'”が全米チャートを制したり、ビヨンセやラトーヤが地元をレペゼンしてスリム・サグやポール・ウォールらと合体したり、ひと頃のアンダーレイテッドな状況がウソのように華やかな話題の多いヒューストン・シーンだが、そのパープルでシロップなドロドロのぬかるみ感を最大限に表現しているのが、このトレイなのは間違いない。今年に入ってからもストリート・アルバム『Later Dayz』をリリースしていたが、早くも登場したニュー・アルバム『Restless』は盟友Z・ロウに続いてのラップ・ア・ロット・デビュー盤だ!
そもそも従兄弟のZ・ロウやダギー・Dと組んだゲリラ・マーブで90年代後半に活動を始めた彼は、2003年の『Losing Composure』でソロ・デビュー。舎弟たちと組んだS.L.A.B.、Z・ロウとのA.B.N.といったクルーでの活動も並行させることでアンダーグラウンド・シーンで絶大な支持を得てきた。そんな地下世界での高い信頼は今回の『Restless』にも十二分に反映されており、H・タウンの伝説である故ファット・パットとホーク(録音後に銃死……)らをフィーチャーした先行シングル“Swang”はH・タウンの最新クラシックに認定済みの名曲だし、ウィッシュボーン・アッシュ使いのビートに超絶スピットが映える“Real Talk”などハードなトラックから、ビリー・クックやシャイナら馴染みのシンガー勢を配したメロウ曲も堅調。いずれにせよ、地の底からビリビリ轟いてくるようなこの倍音の語り口にこそH・タウンの真髄があるのだ。そろそろ評価されなきゃおかしい怪人の超傑作だ。