2. それでは実際に聴いてみよう! その2
DAVE MASON 『Alone Together』 Har-vest(1970)
イギリスの名バンド、トラフィックにスワンプを持ち込んだ男。方向性の違いでバンドを離れてからは、誠実に泥臭い道を歩んでいくことに。とはいえ、ほんのりと漂う英国臭が彼の音楽の魅力であり、その絶妙なバランスがうまく絡んだ結果がこの名作を生んだのである。
DON NIX 『In God We Trust』 Shelter/EMI(1971)

若き頃にスティーヴ・クロッパーらとマーキーズを結成。スタックスの門をくぐって、やがてスワンプ道へ。本作はレオン・ラッセルが主宰するシェルターからのリリースで、〈南部サウンドかくあるべし〉といった内容に。スワンプの決定版としても知られる一枚。
DR. JOHN 『The Sun, Moon & Herbs』 A&M(1971)
『Gumbo』前夜のドクター・ジョンは、英国にてミック・ジャガーやクラプトンら米ルーツ音楽に憧憬を抱いて止まないミュージシャンを多数集めて本盤を制作。ニューオーリンズ・ビートなど南部音楽の材料をズラリと並べて、自由気ままなセッションを試みている。
ETHRIDGE, BARBATA, HILL 『L.A. Getaway』 Atco/Water(1971)
フライング・ブリトゥ・ブラザーズやタートルズのメンバーらが集まったグループで、南部臭く黒っぽい音楽を作っていた。本作にはドクター・ジョンやスプーナー・オールダムなど大物らも参加。どの演奏からもじわりと熱気が漂ってくる。
TONY JOE WHITE 『The Train I'm On』 Warner Bros.(1972)
陽炎のようなハープの音色、夜の熱気を染み込ませたギターと声──彼こそがミスター・スワンプ。ビリー・スワンのプロデュースでファンキーな名作を量産し、そのカッコ良さはクラブ・シーンでも再評価された。ソングライターとしての才能も豊かな人である。
THE ROLLING STONES 『Exile On Main St.』 Rolling Stones/Virgin(1972)
彼らの南部探求の決定版にして終着点とも呼べる傑作で、ストーンズという生命体の美しい運動を見事に捉えた一枚。ブルース、ゴスペル、カントリー、それにブードゥー趣味をワイルドに混ぜて、不純物だらけの魅惑的な濁り世界を創出した。