NEWS & COLUMN ニュース/記事

第130回 ─ Jazztronik

連載
NEW OPUSコラム
公開
2007/03/29   20:00
ソース
『bounce』 285号(2007/3/25)
テキスト
文/牛島 絢也

美がフロウし、生命が脈打つ――好調ぶりに拍車を掛ける野崎良太の2タイトル!!

 今年の元旦にリリースされた『Love Tribe』もロング・ヒット中のJazztronikが、〈プロジェクト・アルバム〉の第2弾としてミニ・アルバムと初のライヴDVDから成る『Beauty-Flow』を発表した。バンド編成時代のMONDO GROSSOを彷彿とさせるアーバンでジャジーな音世界に日本語詞を乗せたミディアム・ナンバーの表題曲や、初期の名曲“Rita”からの流れを汲んだ“Mista Swing”など、新たな試みをふんだんに盛り込んだ前作とは対照的に原点回帰的なムードも漂わせた、深みのある作品集に仕上がっている。

 一方、野崎良太名義では2枚目となるピアノ・ソロ・アルバム『Life Syncopation』は、クラシック音楽を素地としつつも、その枠に収まり切らない彼の魅力を堪能できる静謐な一枚。『Love Tribe』にも収録された表題曲はもともとピアノ・ソロ曲用に制作されたとのことだが、大仰な起承転結よりもフレーズの反復によるグルーヴと心地良さを重視した楽曲の構成は野崎のミニマル・テクノ趣味を想起させるし、そんなアプローチは彼がJazztronikで提示してきた〈クロスオーヴァー・サウンド〉と、ヴェクトルは違えども通底する志向と言えるだろう。