みんな大好き、エラ・フィッツジェラルドの懐深さがたっぷり味わえる企画盤が一気に登場!!

エラ・フィッツジェラルドの生誕90周年を記念してリリースとなったコンピレーション3種は、この偉大すぎるシンガーの魅力に触れられる絶好の機会だ。ロックやヒップホップが生まれるずっと前。ジャズがエンターテイメントのど真ん中だった1930年代から生涯、女性ヴォーカルの最高峰として愛され続けたのがエラだ。そんな彼女の長いキャリアを出発点からダイジェスト的に辿ることができるのが、『First Lady Of Songs -The Best Of Ella Fitzgerald』。数々の曲で聴けるエラのスキャットに注目していただきたい。物凄いフレーズをアドリブで歌っているにも関わらず、まず飛び込んでくるのは、ジャズの難解さや敷居の高さではなく、まるで自在に空を羽ばたく鳥のように余裕綽々な姿。絶対笑顔だ。これがエラです。続いて、〈ジャイヴ〉をキーワードに小西康陽がコンパイルした『Readymade Digs Ella!』は、彼女のエンターテイナーぶりにスポットを当てたユニークな選曲。ここで聴ける“Sunshine Of Your Love”のエンディングでの、漲るソウルといったらどうだ。こういったエラのぶっちぎれた燃えっぷりは、まるでジャニス・ジョプリンを彷佛とさせる……あ、逆か。ジャニスだけじゃなく、現在もさまざまなシンガーたちがエラをリスペクトしてやまないことを証明するのが、トリビュート盤である『We All Love Ella -Celebrating The First Lady Of Song』。ナタリ-・コール、チャカ・カーンといった大御所から、リズ・ライト、レディシら注目のソウル勢まで多彩な顔ぶれが楽しい。日本からはakikoが参戦。エラとの時空を越えた掛け合いは一際ユニークなアプローチだ。
テクニックとエモーション、逞しさと可憐さ、大衆性と芸術性、それぞれ相反するものではないけれども、なかなかに両立させるのが難しいこれらの要素すべてを、ごくあたりまえに備えていたのがエラなのだ。〈エラの歌が嫌い〉と言う人にはいまだ出会ったことがないが、そりゃそうだ。完璧だもの。声を大にして言いたい。ジャズ・ヴォーカルは難しくったって、エラなら大丈夫。絶対、間違いない。〈We Love Ella, Too!!〉
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