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第186回 ─ UK DUB 2007

連載
NEW OPUSコラム
公開
2007/08/16   17:00
更新
2007/08/16   17:38
ソース
『bounce』 289号(2007/7/25)
テキスト
文/田中 学

マッド教授の息子がアルバム・デビュー! ついに世代交代……か!?

 アリワが活動を開始した80年代初頭のUKはまさにポスト・パンク~ニューウェイヴ・ブームの真っ只中。ジャー・ウーブルやドン・レッツ、スリッツ、またはエイドリアン・シャーウッドやデニス・ボーヴェルらによってそれまでのレゲエのトロピカルなイメージが、悪意を持って剥ぎ取られていった時期である。ドラムとベースだけが残ったレゲエの残骸、それがUKダブだ。アリワの初期作品であるランキン・アンの『A Slice English Toast』をフェイヴァリットに挙げるダブ好きは多いだろう。硬質で冷たく重いダブ・サウンドとクールというより冷徹なアンのポエット。あれから25年経ち、いまだUKのダンス・ミュージックはその影響下にある。自身の音楽を〈ダブ・テック〉と呼ぶジョー・アリワのファースト・アルバム『Dub Tech Dub』から聴こえてくるのは、そんなUKベース・ミュージックの現在だ。裁断されたルーツ・レゲエのホーン・サンプルと荘厳なシンセ・フレーズが重なる。その下を這うように、超低空でプリーピーなシンセ・ベースが悪寒がするほどの重低音を撤き散らすのだ。

 また、ジョーの父親であるマッド・プロフェッサーも〈Dub Me Crazy〉のシリーズ最新作を発表したばかり。スライ&ロビーやアルファ&オメガ、アイシャらが参加した一枚で、変わらぬ現役っぷりをアピールしている。