NEWS & COLUMN ニュース/記事

第203回 ─ HELLO ISTANBUL!!

連載
NEW OPUSコラム
公開
2007/09/13   11:00
更新
2007/09/13   17:25
ソース
『bounce』 290号(2007/8/25)
テキスト
文/坂口 修一郎

トルコ音楽の最先端がこのDVDで丸わかり!

 トルコの首都・イスタンブール発信の音楽が、ここ数年早耳音楽ファンの間で話題となっている。東洋と西洋に橋を架け、2つの文化が衝突するこの街でいま何が起きているのか?──その秘密を求めてアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのアレクサンダー・ハッケはトルコへと旅立つ。そこで出会った個性豊かな音楽家たちとの交流をファティ・アキン監督がロード・ムーヴィー化したのが、このたびDVDで登場した「クロッシング・ザ・ブリッジ ~サウンド・オブ・イスタンブール~」である。

 本編であきらかになっていくのは、東西伝統文化の影響を色濃く残しながら、新たな音楽を貪欲に受け入れて発展するトルコ音楽シーンの姿であり、単なるエキゾティック音楽といったステレオタイプに当てはまらない独自でコンテンポラリーなサウンドであった。なかでも先日来日を果たしたエキゾ・ダブ・バンドのババズーラや、スーフィー(イスラム神秘主義の音楽)をエレクトロニクスとのミックスで聴かせるメルシャン・デデ、オルタナ・ロック・バンドのレプリカスといった新世代のアーティストたちは、伝統音楽にダブやヒップホップ、エレクトロを違和感なく採り入れ、ヨーロッパや日本のシーンと時差を感じさせない感覚を持っていることを証明した。また、DVD化にあたって追加されたアウトテイクなどの特典映像は、現在進行形のシーンのいまを余すことなく伝える貴重な記録となっていて、こちらも観逃せないものばかり。魅惑の現代トルコ音楽にどっぷり浸かるのに絶好のテキストなのは間違いない!