タラフ・ドゥ・ハイドゥークスがクラシックの名曲に挑んだ超野心的な新作をリリース!
その昔にクラシック音楽家たちがジプシーの文化に触発されて生み出した楽曲を、現在世界最高のジプシー楽団であるタラフ・ドゥ・ハイドゥークスが演奏するという世紀を跨いだ音楽的邂逅が、〈仮面舞踏会〉と名付けられたニュー・アルバム『Maskarada』だ。ジプシー音楽特有の疾走するリズムと心震わせる哀愁の旋律によって、クラシックの名曲が作曲家の意図を超えて舞踏する。なかでも、民族音楽学者としても重要なハンガリーの作曲家、バルトーク作の〈ルーマニア民族舞曲〉からオリジナル曲〈失われた舞曲〉への展開は、クラシック音楽への彼らの返答というべき愛と狂騒の組曲だ。本来は楽譜すら持たない自由で奔放な彼らが、今回は楽譜の読み方を学んで録音に臨んだほど本作にかける思いは強かったようだ。とにかく本作は、いろんな出会いを大らかに呑み込んで楽しんでしまう、彼らの懐の深さが如実に表れた作品に仕上がっていて素晴らしい。秋には来日も決定し(くるりと共演!)、多くのジプシー楽団と行った北米ツアーのドキュメンタリー映画のサントラ『Gypsy Caravan』も出たばかり。愛すべきバンドたちの行進は続く。