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第68回 ─ アーツ&クラフツ

KEVIN DREW BSSの頭脳が、満を持してソロ活動を開始した!!

連載
Discographic  
公開
2007/09/27   03:00
更新
2007/09/27   16:39
ソース
『bounce』 291号(2007/9/25)
テキスト
文/村尾 泰郎


 アーツ&クラフツを代表する――というか、レーベルの存在意義そのものなバンド、ブロークン・ソーシャル・シーン。その中心人物であるケヴィン・ドリューは、BSSはもちろんレーベルのスピリットでもあるわけで。そんな彼が初めてのソロ・アルバム『Spirit If...』をリリースした。今回ケヴィンをサポートしたのはBSSのメンバーであり、ドゥ・メイク・セイ・シンクとしても活動するオハド・ベンチェトリットとチャールズ・スピアリンの2人。ここに収録されているすべての曲がBSSのファースト・アルバム『Feel Good Lost』と同様、オハドの地下室から生まれたらしい。

「最初はソロ・アルバムなんて作る気はなかったんだ。オハドの家でセッションを始めて、結果的に1年ほどしたらソロ・アルバムが出来ていたって感じかな」。

 思えば常に20名前後のバンド・メンバーをバランス良く取り仕切ってきたケヴィンだけに、遠慮なく自分の想像力を解放できる場を心のどこかで求めていたのかもしれない。ジェイソン・スコットやアポッスル・オブ・ハッスルなどメンバーのソロ・ユニットが活発化しているのを横目に、自分の表現衝動が抑え切れなくなるのも当然だ。

「セッションをしているなかで、自分の聞きたい言葉や音を探求する機会が生まれて。そうしているうちに、BSSのアルバムとしてはパーソナルすぎる内容になってきた。バンドの役割は創作過程の一部にすぎなくなったんだ」。

 基本的にはオハドとチャールズとの3人でサウンドの核を作り、ファイストやエイミー・ミラン、アンドリュー・ホワイトマンといった仲間たちが演奏面でしっかりサポート。さらにダイナソーJrのJ・マスシスやゴンザレス、元ペイヴメントのスコット・カンバーグらも参加して、本人いわく「エモーショナルなコミック」を思わせる躍動感に満ちた一枚に仕上がっている。

 最後にジャケットのユニコーンについて、ケヴィンはこんなふうに説明してくれた。

「希望というより夢の象徴かな。教わったことの枠をはみ出し、夢と実生活に関して希望を持つことが大事なんだ」。

 BSSと同じく多彩なサウンドを身に纏いながら、いまケヴィンの熱いソウルがユニコーンのように天高く舞い上がっていく。

▼『Spirit If...』に参加しているアーティストの作品を紹介。

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