鍵盤から宇宙を創造する唯一無二の天才……君はバーニー・ウォーレルを知っているか?

ジョージ・クリントンやデヴィッド・バーン、ビル・ラズウェルら強烈なカリスマの傍らで、彼らの抱いたイメージを具現化し、なおかつそれ以上の創造性を加味することで音楽を宇宙に飛ばしてきた異形の偉業──バーニー・ウォーレルのキャリアはまさにそんな功績の積み重ねであった。絶対音感を持って生まれ、3歳からピアノを演奏、8歳で最初の協奏曲を自作し、10歳でオーケストラと共演……という経歴を持つ彼のプロとしてのスタートは、60年代末に結成されたファンカデリック~Pファンク軍団への参加だった。そこでモーグ・シンセサイザーの独創的な演奏に習熟していったバーニーは、80年代以降もトーキング・ヘッズやプラクシス、さらにはモス・デフの率いるブラック・ジャック・ジョンソンの鍵盤奏者として活動。一方では天才的なセッションマンとして膨大な参加音源を残しているのだ。
そんなバーニー絡みのアルバムがこのたび2枚同時リリースされた。ひとつはウィル・カルホーンとブレット・ベースを従えたトリオ録音による久々のソロ名義作『Improvisczario』で、もう1作は彼がプリンス・ポールと組んだ新ユニット=ベイビー・エレファントでの『Turn My Teeth Up!』だ。ジャム・セッションをワンテイクで録ったプリミティヴでディープな前者に対し、後者はデヴィッド・バーンやイエローマン、クリントンやショックGらのゲスト参加もあって、フリーキーながらもキャッチーで聴きやすいファンク・アルバムとなっている。ポールはこれまでのプロデュース仕事を通じてPファンクを何度もネタ使いしているし、バーニーの音楽をポップに咀嚼する役割としてはまさに適任だったということだろう。なお、年頭に日本リリースされたDVD「Stranger : Bernie Worrell On Earth」も、バーニーの天才ゆえの苦悩や不遇を描いたドキュメンタリー作品として一見の価値がある。
▼バーニー・ウォーレルの参加作品を一部紹介。