自身の所有するスタジオで出したい音を出し切って、やりたいことをやり尽くした結果生まれた、人気スカ・バンドの特盛りアルバム!!

ああだこうだ言われるのを拒否するかのように並べられた35トラック。尋常じゃない。僕がプロデューサーなら思い止まってほしい。つまりは、この曲数すらメッセージというワケです。ヴォーカルの次松大助、ギターの森寺啓介のソロ・プロジェクト、THE PARTY BROTHERSやサポートでの活動など、メンバーそれぞれが存分にユニークな個性を育みつつ、互いを刺激し合ったうえで、〈さて、The Miceteethとは?〉と、自分たちに問うたような。そして、その位置付けをはっきりさせた答えがここにある。とにかく、イマ伝えたいThe Miceteethはヴォリューム満点ってこと。
〈なんかよくわからんけど、イマの良かったよね!〉――バンドのリハーサル中、ウォーミングアップがてらのジャム・セッションに訪れる奇跡の瞬間。それは、新しいメロディーの手掛かりだったり、演奏している自分たちですら思ってもみないような躍動感溢れるグルーヴだったり。多くの場合、記録されることなく消えてゆくそれらの粗削りな閃きすら、彼らは自前のスタジオを構えることで逃さず捕らえた。しかも、相当に生々しい音で。
散りばめられたインタールードは、アフリカを眺めるナイヤビンギを思わせるラフなセッション、オールド・タイミーなスウィング風、意外にコワモテなファンキー曲、ピアノを軸にしたアンビエントな味わいの小曲などなど、もうまとまるワケもないほどに多彩。これらがThe Miceteethのパーツ。日に日に変わって、研ぎ澄まされていくアイデアの断片だ。そして、甘くもひねくれたポップ感を携えたスカ~ロックステディ、カリプソを聴かせてくれる〈いつものThe Miceteeth〉も、いっそう逞しくしたたかになって、堂々とそこにいて。
The Miceteethという名前に求められる音、それを当人たちも十分理解しつつ、それでもそれだけじゃない自分たちもまた抑えきれないくらいに太くなっていて、その辻褄を合わせる術としての『07』。このアルバムの持つ意味は大きい。いや、おいおい大きい意味を持っていくであろうアルバムというか。〈なんなんだ? コイツら??〉って思ってもらえたら、しめたモノだ。ここまで見せておけば大丈夫。あとは好きにやって大丈夫だ。