1枚限りの〈幻〉じゃなかった! より骨太に成長した現実を喰らえ!!

現在活動を休止しているRHYMESTERのMUMMY-Dこと坂間大介と、SUPER BUTTER DOGのギタリスト=竹内朋康の2人によるユニット、マボロシ。旧知の仲を縁に、竹内がRHYMESTERの『グレイゾーン』(2004年)に参加したのをきっかけに、ユニット結成へと至った2人が、このほどセカンド・アルバム『ラブシック』を発表した。ファースト・アルバムの『ワルダクミ』から早3年、その間にライヴでの交流を深めたことは今回のアルバム作りにも反映され、楽器隊を引き連れたフォーマットもより根付いた形に。坂間のラップと竹内のギターがいわばツイン・ヴォーカル的に楽曲の中心を成し、ド派手なロッキン・サウンドを大きく展開。コミカルな要素も随所に匂わせた前作を経て、曲調には広がりが見える。滋味深いバンド演奏を長めの尺でゆったり聴かせるなか、感情のすべてを呑み込んで〈なにも感じない〉の一言に集約する坂間の短いラップが竹内のギターによる感情の爆発を導く“密会”~元カノに後ろ髪引かれた日々を数年後の現在から振り返る“Mr. Yesterday”~初々しさも垣間見せる竹内のラップが〈Because I Love You〉と歌うシンプルな内容に噛み合う“Hey Yo! Honey”……という流れで始まる後半の味わいは前作以上。全体としてクラシカルな色の濃いユニットの音楽性を先へ進ませ、深みも加えた2作目だ。
▼マボロシの作品を紹介。