グディングス・リナが世界の〈音楽〉と〈料理〉のお皿2枚使いで贈る、〈音食同源〉コラム!!

目玉焼きでいえば、潰した黄身をケチャップや胡椒、白身と混ぜて、付け合わせのソーセージに乗っけて、その〈全部を味わう瞬間〉。温泉でいえば、少しぬるくなったところに注がれる熱々のかけ流しのお湯が適温になる、〈岩の注ぎ口から1mくらい離れたあたり〉。キャラメル・マキアートの、持ち帰りカップの傾け方次第でキャラメルとクリームとコーヒーが〈好ましく混ざる角度〉。恋人にはならないけれど連絡があると嬉しい異性の友人……によって満たされる、心の〈とある部分〉。DJのかける曲で、前の曲のベース・ラインに次の曲の裏打ちのハイハットが〈かぶってきたあたり〉。
何をしつこく書いてるのかって、要するにコレ、何かと何かが混ざり合う境界線について。違う価値観にぶつかって、それが心地良くなる瞬間。この、じぶんだけの〈どうしようもなく丁度良いサジ加減〉というものに、それを感ずる人のエッセンスが隠れていたりするから。じぶんと違う誰かと簡単にはわかちあえなかったり、だからわかちあいたくて必死に説明したり。フフフ。
ところで、人に〈好きなものは何か〉と訊かれて、答え方がのらりくらり、イイ加減になってしまうのは、悪いこととは限らない。煙に巻いているわけでもない。だって、じぶんなりの〈ちょうどイイ加減〉を知るべく生きているからであって、まだまだウニウニ……。境界線の曖昧味、あなたとわたしの全部味。そのぐちゃっとしたところ、そこにしかない美しくて美味しいモノ。それを一言で言うにはオスマン年早い。それこそまさに、ヨーロッパと中東にはさまれたトルコ文化の18番。つまるところ、六本木の路上で売っている〈ピタ〉――ピタのなかは無法の交易地帯。だからわたしは、いまこの場所で、詰められる限りのものを詰めてほおばる毎日なのだ。よ・く・ば・り。そのうちそれが立派な一品になっても、ジャンクのままでも、あなた/わたしらしければそれでいいのだ。
ピタとレンズ豆の煮込みの詳しいレシピなどはこちら!
http://www.goodingsrina.com/blog/
たまには新譜でも。アップ・バッスル&アウトの世界紀行――『Istanbul's Secrets』(Collision)です。今度の旅では折衷文化を誇るトルコでリ・折衷。現地女優と音のアヴァンチュール。
PROFILE
グディングス・リナ
ヴァーサタイルなクロスオーヴァー・ポップをクリエイトするシンガー・ソングライター/トラックメイカー。新作『大都市を電車はゆく』(ビクター)も好評リリース中。