今月も大漁! まず、ボビー・ウォマックやレジーナ・ベルが参加したマンハッタンズの86年作『Back To Basics』(CBS/ソニー)は、80年代半ばに〈原点回帰〉を掲げた心意気に注目すべき逸品です。
続くマイケル・ワイコフの82年作『Love Conqures All』(RCA/BMG JAPAN)は、“Looking Up To You”がジャネイ“Hey Mr. DJ”の元ネタで……てな15年前の評価軸はさておき、そろそろ洒脱な大人ファンクの名品として直球で愛されるべき。
その意味ではフィリーの大所帯、ブレイクウォーターの80年作『Splashdown』(Arista/BMG JAPAN)も絶品で、ダフト・パンク“Robot Rock”の元ネタ“Release The Beast”以外にも、軽快なラテン・ファンクやAOR風の爽やかさが楽しめます。
さらに遡ると、サム・クック直系の歌がディスコ時代末期の洒脱なグルーヴに乗ったジョニー・テイラーの79年作『She's Killing Me』(CBS/ソニー)も予想以上の名盤!
3枚復刻されたジョン・ルシアンだと、本連載的にはブラジルっぽさとニュー・ソウル風情が折衷された73年作『Rashida』(RCA/BMG JAPAN)を推薦しましょう。
シメはアル・ウィルソンの編集盤『Searching For The Dolphins』(Kent/Ace)。68年の同名アルバムにシングル音源を加えた67~71年のコンプリート集で、ロック・ファンにも聴かせたいファンキーな歌いっぷりに酔わされます。