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第16回 ─ Morocco

連載
グディングス・リナ の Delicious Dishes
公開
2008/09/11   01:00
更新
2008/09/11   17:56
ソース
『bounce』 302号(2008/8/25)
テキスト
文/グディングス・リナ

グディングス・リナが世界の〈音楽〉と〈料理〉のお皿2枚使いで贈る、〈音食同源〉コラム!!


  日出ずる国のみなさん、こんにちは。今回は日の没する地の王国、モロッコより〈妄想Delicious Dishes〉をお届けいたします。今日はクスクスを作ろうと相成りまして、材料を近所のスーク(市場)へ買い出し。城壁で囲まれた旧市街に着いたら、ベージュの壁に囲まれた薄暗くて入り組んだ通路を進みます。だんだんと活気が出てくると、そこはもうスークの始まり。所狭しと商品を陳列した一坪くらいのお店が、両側を埋め尽くしています。真鍮のティー・ポットばかり売っている店、カゴかばんの店、皮革製品の店、それぞれのお店は専門化されていて、さらに日用品なら日用品、食品なら食品と店がかたまっており、食品のブロックからちょうど逆方面に住んでいるわたしは、日頃近所で済ませてしまうこともありますが、今日のような日はスークでまとめ買いです。

 まずは日用品のエリアにあるCD/カセット・ショップで本日の紹介CDをいくつか見繕います。日用品エリアを抜けると、赤に黄に染料のごときスパイスが三角に盛りつけてあるスパイス店の一角。今日必要なターメリックやパプリカは家に十分買い置きがありますが、何も買わずに素通りできないのがこのエリア。切れていたクミン・シードを10gと人懐っこい笑顔の店主が調合したオール・スパイス(これ便利なの)も購入。そしてナッツやドライ・フルーツのエリアを抜けると、次はスウィーツ・エリア。蒸しパンのようなものや焼き菓子――名前もよくわからない、懐かしい味がしそうな手作りのもの――が剥き出しで山積みされています。日本であればこの陳列方法は出来立てが前提だけれど、こんもりの下のほうはどのくらい前に作られたのか……気になります。ま、そう簡単に傷まないくらい甘いのでしょう。さて、ようやく辿り着いた乾物屋でクスクス500gを一箱。生鮮売り場で夏野菜をいくつか購入。最近家でもヤギを飼い始めたばかり、ヤギの頭がぶらさがっているあの売り場にあまり行く気がしなくなってしまったので、羊肉はあきらめて手前の鶏肉屋で骨付きの鶏肉を購入。材料が揃ったところで、ちょっと友達の店先でミント・ティーでも……なんてやっていたら、夕方のコーランとともに屋台のいい匂いがしてきたので、早く帰って作ります!

クスクスの詳しいレシピなどはこちら
http://www.goodingsrina.com/blog/

RECIPE クスクスといっしょに堪能したい、今月のDelicious Dishes!!!


JIL JILALA 『El Mizane』 Fassiphone 
モロッコのような出入りの多い辺境の国では、アフリカの伝統的な音楽と西洋からの音楽が相互乗り入れしてきたはず。いま聴けば十分民族的なこの一枚も、その後に続くハイブリッドの一歩だったのかもしれません。

GNAWA DIFFUSION 『Souk System』 Warner France(2003)
反骨精神がエスニックであることを選ばせる、そんな音楽がモロッコでは多数存在しています。アーティストの多くが移民の子供だったり、故郷を離れた人間だったりするのもまた妙味。


JALAL EL HAMDAOUI 『Reggadiates Vol.3』 Fassiphone(2005)
現地のストリートにはこんなCDが山と売られているのだそう。ひたすらご機嫌な、ベタベタのエスニック・ポップ・ダンスホール。ギリギリなルックスも郷愁を誘います。

PROFILE

グディングス・リナ
ヴァーサタイルなクロスオーヴァー・ポップをクリエイトするシンガー・ソングライター/トラックメイカー。アルバム『大都市を電車はゆく』(ビクター)が好評リリース中。8月30日に新潟で、9月24日に東京でライヴを行うとのこと。詳細は〈http://www.goodingsrina.com〉で!