熱き鋼鉄盤を紹介する連載〈OSHIETAL〉。今回は突然の解散宣言から半年、そのすべてをさらけ出すかのような物凄い未発表音源集『Ripped Off: Odd Tracks & Demos』とツアーをもって〈真の終幕〉を迎えるハノイ・ロックスを教えたる! 彼らがフィンランドより登場したのは79年、マイケル・モンロー(ヴォーカル)とアンディ・マッコイ(ギター)が前身バンドを結成したことから始まった。翌80年、大胆極まりないストレートなロックンロールで、ヨーロッパ~日本~USと世界進出→大成功を治めることに。しかし、USでの悲しすぎる出来事=ラズル(ドラムス)の交通事故死により力尽き、85年に解散。その後、ガンズ・アンド・ローゼズやワイルドハーツ、バックヤード・ベイビーズらチルドレンのラヴコールに応えるカタチで2001年に再結成。復活後初来日となった〈サマソニ〉での入場規制ライヴが音楽ファンの間で伝説と化し、いまも俺の周りでは語り草になっている。
なお、このたびの再解散に際して、マイケル/アンディ共に寂しさも後悔もまったくないと語っている。悲劇に見舞われて一度は散るも、復活後に完全燃焼し、間もなく〈真の終幕〉を迎えようとしているハノイ・ロックス。この素晴らしい去り際に、俺は男の美学を見た次第。そう、彼らを知らずしてメタルをカタルべからず! そして皆で叫ぼうではないか、〈白夜の夢をありがとう〉と。
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