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第475回 ─ 俺たちダンクシューター

連載
NEW OPUSコラム
公開
2009/04/02   16:00
ソース
『bounce』 308号(2009/3/25)
テキスト
文/高橋 芳朗

アンドレ3000も大活躍の、とことんおバカでファンキーな映画はいかが?


  1月にジョンC・ライリーとのダブル主演作「俺たちステップ・ブラザース ~義兄弟~」(秀作!)のDVDが出たばかりということもあり、ますますややこしいことになってきているけれど……ここで紹介するのは、「俺たちフィギュアスケーター」のスマッシュ・ヒットの余勢を駆って昨夏にめでたく日本公開された、ウィル・フェレルが主演する〈俺たち〉シリーズのバスケットボール編「俺たちダンクシューター」。監督を務めるケント・オルターマンは今回が初メガホンになるが、製作に「エルフ~サンタの国からやってきた」「タラテガ・ナイト オーパルの狼」のジミー・ミラー、脚本に「アダルト・スクール」「スタスキー&ハッチ」のスコット・アームストロングと、基本的にはいつものスタッフによるいつものウィル・フェレル映画と考えてもらっていいと思う。

 70年代のUSに実在したバスケットボール・リーグ、ABA(アメリカン・バスケットボール・アソシエイション)がNBAに吸収消滅されることになった76年のエピソードをモチーフにした物語。同じ70年代が舞台ということで、2004年の「俺たちニュースキャスター」を連想する好事家もいるかもしれないが、元シンガーのジャッキー・ムーン(フェレル)率いるフリント・トロピックスがチームの存亡を賭けて奮闘する様は、破天荒なコメディーというよりもむしろオーソドックスなスポ根モノといった趣がある。

 脇を固めるのは、NBAでの優勝経験を持つ助っ人のエド・モニックス役にウディ・ハレルソン、チームのエースであるクラレンス・ウィザーズ役にアウトキャストのアンドレ3000。ことアンドレに関しては、これまでのベスト・アクトといっていい好演を見せている。

 音楽はウォーやスライ&ザ・ファミリー・ストーン、ブラックバーズ、オハイオ・プレイヤーズなど、当時のファンク/ディスコ・クラシック中心の選曲。傑作なのが一発屋ディスコ・シンガーという設定のジャッキーのヒット・ソング“Love Me Sexy”で、ウィルと脚本担当のスコットが書き下ろした最高にバカバカしい歌詞を、贅沢にもナイル・ロジャースが一級のメロウ・ダンサーに仕立てている。また、天国からジャッキーを見守る彼の母親を演じているのが某大御所ソウル・シンガー(○ティ・ラ○ル)だったりと、ほかにも心憎い仕掛けが盛りだくさん。さらなる混乱を巻き起こしそうなデニス・ロッドマン主演の堂々たる便乗商品「俺たち庶民派シューター」と併せてどうぞ。

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