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第512回 ─ REAL TALK

連載
NEW OPUSコラム
公開
2009/06/24   18:00
更新
2009/06/24   18:16
ソース
『bounce』 311号(2009/6/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

ラッパーの生一本が味わえる謎のブランド

 公式も非公式も含めてストリート・アルバム(≒ミックステープ)が連発され、どれが正規で勘定できるアルバムなのかわかりにくい昨今のヒップホップ。そして、その狭間で躍進するレーベルのひとつに、サクラメントを拠点とするリアル・トークがある。2003年に設立されたこのレーベルは、まずブラザ・リンチ・ハング&MCエイトのタッグ作『The New Season』で好事家の注目を集め、以降もビジー・ボーンのアングラ作品などを連発してきた。その後は各地の大物アクトが〈繋ぎ〉に作品を出す例も増え、昨年はリル・フリップにパスター・トロイ、また8ボール&MJG各々のソロ作も出している。仮の宿りとはいえ凄いメンツ揃いだ。で、今回はまたもフリップとトロイのリリースがあったのだが、加えて注目なのは元ロッカフェラのフリーウェイ、ディップセットのヘル・レル、D・ブロックのシーク、そして大ヴェテランのAZといった東海岸のビッグネームが参入してきたことだろう。レーベルのサウンドをすべて担うビッグ・ホリスやコズモの仕事ぶりに先鋭性や派手さはないが、多様なタイプのビートが簡素な形で用意されているので、ラッパー個々の格好良さをシンプルにチェックできるのは利点のひとつと言える。今後はどんな大物の作品を出してくるかにも注目したいところだ。

▼リアル・トークの最新リリースを紹介