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ひよこNo.18 PILLS EMPIRE

連載
ROCKひよこ組
公開
2009/11/04   18:00
ソース
『bounce』 315号(2009/10/25)
テキスト
文/タマコ


タマゴからかえったばかりのロック・バンドが登場!





みなさ~ん、コ~ンニチハ~☆ タマゴからかえったばかりのロック・バンドが集まる〈ROCKひよこ組〉担任のタマコでございます。すっかり秋ですね。首筋に当たる風が、ちょっとサミシイ……そんなセンティメンタル☆タマコが紹介する今回のひよこちゃんは、11月4日にファースト・アルバム『MIRRORED FLAG』(DAIZAWA)をリリースするPILLS EMPIREです! 本気でカッコイイ音を出す子たちなのでビックリしすぎないでくださいね。ポスト・パンク~マッドチェスター以降のUKロックのエッセンスが感じられる、ダークで攻撃性たっぷりのサウンドが……本当に本当にカッコイイんです! 取り乱してスミマセン!

「ポップ・ミュージックであろうとするUK(の音楽)の考えが好きだから、その流れではいたいと思っています。UKだけじゃないけど、ノイバウテンとかギャング・オブ・フォー、ディプロの影響もある。特にプライマル・スクリームとレディオヘッドは大きいですね。あとはファクトリー周辺のギャング感、クリス・カニンガムの映像世界とかも好きだし。ただ繰り返しは意味がないから時代を眺めるようにはしています。これでロックアウトできるか、とか。それと開いたメロディー/音かということも」(Naoya Shimamoto、ヴォーカル/ベース:以下同)。

暗黒性とポップネスが同居する感じはカサビアンにも通じるし、話題のビッグ・ピンクとも共鳴しそう。まあ、もちろんタマコはPILLS押しですが。また今回は、大志を抱くヤングなバンド集団、〈Kings〉の仲間であるthe telephonesの石毛輝くんがプロデューサーとして参加しているんです!

「4年ぐらい前、お互い共感できるヤツもいなくてイライラしてた頃に出会ったんです。その当時いっしょにツアーをして、飲みながら〈俺がプロデュースできるようになりたい〉って言われたのがきっかけ。今回は日程も短くて大変だったけど、作業は擬音や抽象的な表現だけで進むから助かりました。何でも遠慮なく言えたし。20代半ばのヤツらだけでも良い作品は作れるんです。オッサンたちにはそろそろどいてもらって、ルールや古い考えは常にアップデートしていかないと」。

とにかく気骨のある子たちで頼もしい! 「とにかくロックアウトしていきますよ」というPILLS、聴かなきゃダメです! では☆



ひよこ組のおともだち



灰緑 『うむひとうまれるひと』 Pヴァイン

またまた残念な……いや愉快な子が栃木から登場。関西勢のストレンジさに通じる、フリージャズやファンクの匂いがする激烈だけどヘナチョコなサウンドと、歌というか叫び(or寸劇)に近いヴォーカルが炸裂しています。とにかくパンク!

 

IDLE BOYS 『This is idle boys』 skooter

またまた残念な……いや愉快なバンド名は狙いかしら? Riddim Saunter兄さんにも通じるスムース感を持った、アーバン度高めなキラメキ・サウンドにウットリ……。ディスコティークなダンス・ナンバー“Way of flight”がダサ格好良いです。

 

your gold, my pink 『parade』 DAIZAWA

とてもファンシーなバンド名! とてもドリーミー(でも結構骨太)なサウンド! ファンタスティック! すでに〈サマソニ〉に出演済みな4人組の初作には、笑顔を誘う魔法が宿っています。突き抜けたポップセンスに女子は釘付けなはず!

 

NIZ 『stone』 残響

昨年の〈フジロック〉でマイ・ブラディ・ヴァレンタインを観て、〈あれくらいできんじゃねえ?〉と楽器を手にしたという男女2人組の初作。ノイズの洪水から浮かび上がる甘酸っぱい旋律はジザメリっぽくもスマパンぽくもあり、何だかノスタルジックな気分に。