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第35回 ─ 〈ミック・ジャガーと山手線〉

連載
Bar YAMAGA
公開
2009/11/11   18:00
ソース
『bounce』 315号(2009/10/25)
テキスト
文/〈Bar YAMAGA〉のバーテン

憧れのアーティストたちといつもの酒場で出くわして――武藤昭平、勝手に深夜がれの妄想話はまだまだ続く……

 とうとう30時。怒髪天の増子直純、エルヴィス・コステロ。ミック・ジャガー、そして俺、武藤昭平。皆かなり酔っている。特に安いホッピーを立て続けに一気飲みさせられたミックはそうとうキテる様子だ。ノリノリのコステロが言う、「よし! もう1回やるで~、山手線ゲーム。じゃあ、また増子はんから!」。そして、はりきって増子「よっしゃあ! いくぞ~! レーッツレッツゴ~! パンパン(手拍子)恵比寿!」。続けて俺「パンパン(手拍子)代々木!」、コステロ「パンパン(手拍子)鴬谷!」、ミック「パンパン(手拍子)トキオ!」、増子「パンパン(手拍子)目白!」、俺「パンパン(手拍子)五反田!」、コステロ「パンパン(手拍子)大塚!」、ミック「パンパン(手拍子)トッテナムコートドー○△%$……」。「ミックさん、アウト~!」。コステロがミックに突っ込む、「ミックはん、〈トッテナム・コート・ロード〉って言おうとしたん? それはロンドンの地下鉄駅やがな。しかも言えてないし」。するとミック「俺はトキオの駅名なんか知らないよ」。「リズムも合ってなかったよ、ミック。はいはい、一気!」と酔った増子はすでにミックに対してタメ口を利いている。そして、かなり焼酎の濃いホッピーをまたも一気に飲み干すと、ミックはついにそのまま後ろに倒れ込んでしまった。慌てたコステロは「ああ、ミックはん! ヤバイわ。それにこんな時間か。ほな帰りましょうか。ミックはん! ミックはん! 大丈夫か?」。その呼びかけにミックはかろうじて反応した。「頭がグラグラする……」。

 われわれは勘定を済ませ、ミックを抱えて店を出ることに。その時カウンターで潰れていたドアーズのジム・モリソンがムクッと起き上がり、ミックを見てこう言った。「お、ミックじゃねえか? ヤルんならヤッてもいいんだぜ」。すると増子「何だ、ジム。起きたと思ったらケンカ売ってんのか!? このやろう!」。何を思ったか、ジムは履いていたズボンを脱ぎ出した。慌てた俺が増子に言う。「増子兄ヤン! ジムさんを何とかしてくださいよ」「ああ、面倒くせえな~。もう放っとけ!」。するとジムはズボンを途中まで降ろしたまま、ふたたびカウンターに潰れてしまった。われわれはミックを抱えて店を後にすることに。

……武藤昭平、あくまでも妄想の話。

深夜の妄想盤

THE DOORS
『Waiting For The Sun』
Elektra(1968)
潰れていたと思ったら起き出すなり喧嘩だなんて、本当にジムさんは困ったお客様です。しかもズボンまで下げる始末。まあ、この3作目リリース後のライヴで披露された伝説の(!?)自慰行為が目の前で再現されるのかと、ワクワクしてしまったのも事実なんですけどね。

THE ROLLING STONES
『Shine A Light』
Interscope(2008)
昨年世界公開されたライヴ・ドキュメンタリー映画のサントラです。ツアーのたびに発表される恒例のライヴ盤と違い、良い意味で演奏が荒々しいのも印象的。それが、還暦をすぎてもセックス・シンボルであり続けるミックさんの持ち味を十分に引き出しているんですよ。

PROFILE

武藤昭平
ジャズとパンクを融合させたオリジナルなサウンドで人気の伊達男音楽集団、勝手にしやがれのドラマー/ヴォーカリスト。タワレコ30周年を記念したファースト・ソロ・シングル“至福の空 ~NO MUSIC, NO LIFE.~”(tearbridge)も要チェック! また、ライヴ予定などの詳細は〈www.katteni-shiyagare.com〉で!!