YOUR SONG IS GOODのサイトウジュンが大好きな音楽について語りまくる連載……涙の最・終・回!!!!!
東中野駅前〈落とし穴〉建設予定地
最終回です。最近はというと、2台のオルガンの音が出なくなり、3台のレズリー・スピーカーがブッ飛び、マイクロコルグの鍵盤が折れ、ツマミのひとつがどこかへ消えました――でも、楽しんでます。もう何回目だろうか、小沢健二の『刹那』(EMI Music Japan)を全身で受け止めるという行為。“流星ビバップ”のインスト、この最高にイカしたゴスペル・オルガン・インスト・チューンで終わるってこと、本当にありがとうございますとまた心の中で叫んでしまった。いつの日かパッと弾けるようにならなアカンよ、オレは。そしてマイクロコルグXLの鍵盤が購入3日後に地味にもげて、全然関係ないことで右手小指を骨折、要入院~要手術。でも、楽しんでます。で、フガジの話です。〈ラジオのカクバリズム〉でも提唱した、『End Hits』(Dischord)に収録された“Break”のコーラス部分のコード感と『Repeater+3 Songs』(Dischord)収録の“Repeater”のサビのギター・フレーズ、ここから考察するに、ギブソンSGから繰り出されるストイックなポスト・ハードコア節と浮遊感溢れるトロピカル・フレーズ、これ最高の組み合わせナリ。ってことで〈フガジ=トロピカル説〉をこの場を借りてもう一度唱えさせてください。それからある日の早朝、某牛丼屋にて酒の力と己の権力志向のブレンドから生まれる暴言で、バイト青年を罵倒するヤング・サラリーマンと遭遇。〈金払ってるから〉とやたらデカい態度に爆発寸前の私、しかし愛する人のために反省中の身、ここはグッとこらえて集中砲火を浴びるバイト青年の救出に集中です。そのクソ野郎は〈死ね!〉と言って店を去り、バイト青年にはヤツへのお仕置きを提案しました。反省中の自分の場合、店の前に落とし穴を掘って穴の底にドクター・ジョン『Desitively Bonnaroo』(Atco)のCDを設置、そこへヤツを落とすがこんな名盤聴かせるのはもったいないので、そいつから奪い取って自分で聴くという考えが浮かびました。でも、楽しんでます。最後はシンク・アバウト・ライフ、奇跡の2作目『Family』(Alien8)。アイデア炸裂でオモロすぎる! で、たったいま、MacBookのハード・ディスクが飛んだ。でも、楽しんでますよ、オレは。
ということで、読者の皆様、加藤さん、桑原さん、歴代の編集長の方々、最後までありがとうございました。好き勝手に紹介させてもらったお皿、合計79枚。ありがたいです。それじゃ、いつかまた、どっかで会おう。
▼文中に登場した作品を紹介。
左から、小沢健二『刹那』(EMI Music Japan)、フガジの『End Hits』(Dischord)、フガジの『Repeater+3 Songs』(Dischord)、ドクター・ジョン『Desitively Bonnaroo』(Atco)、シンク・アバウト・ライフの『Family』(Alien8)
PROFILE/サイトウジュン
YOUR SONG IS GOODのオルガン担当/リーダー。まさかの廃盤だったYSIGのファースト・アルバム『YOUR SONG IS GOOD』(KAKUBARHYTHM)がついにリイシュー! 新作はもうすぐ完成です!!!!! モロモロ詳しくはYSIGのブログ〈www.kakubarhythm.com/ysigblog/〉で!