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フラワーカンパニーズ

フラカンの全オリジナル・アルバムをおさらい!――(2)

連載
360°
公開
2010/02/17   19:00
更新
2010/02/24   18:54
ソース
bounce 318号 (2010年2月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/鬼頭隆生、宮本英夫

『吐きたくなるほど愛されたい』 Trash(2002)

メジャーを離れてバンド運営のすべてをメンバー自身で行い、ひたすらライヴに明け暮れる……そんな時期に制作された作品。逆風の中を死に物狂いで駆け抜けるようなハイテンションでパンキッシュな曲の連打に胸が熱くなる。不屈の闘志が燃えた一枚! *鬼頭

『発熱の男』 Trash(2003)

ライヴ中心のDIYな活動に手応えを感じたのか、前作から間もなくリリース。バンドの好調さを窺わせる内容で、カントリー&ウェスタンや沖縄音楽、盆踊りなどを採り入れたゴッタ煮なのがおもしろい。決して楽ではない現状に対して、地に足の着いたポジティヴさを発揮する歌詞も素晴らしい。*鬼頭

『東京タワー』 Trash(2003)

各地の夏フェスで大暴れした直後に発表された8曲入り。絶好調で加速するバンドの姿がパックされた捨て鉢なロックンロールも当然良いが、何より表題曲(『フラカン入門』にはライヴ・テイクを収録)が圧倒的。あけすけで赤裸々な語りを織り交ぜたこの〈ダサカッコ良さ〉がフラカンだ! *鬼頭

『世田谷夜明け前』 Trash(2004)

まだ夜は明けていない――しかし前年の〈SET YOU FREE〉への出演をきっかけにリスナーが加速度的に増加し、追い風が吹きはじめた頃。衝動に則ったアグレッシヴな楽曲だけでなく、じっくり己と向き合うような実直で趣深い曲が増えている。ここで生まれたのが名曲“深夜高速”だ。*鬼頭

『脳内百景』 Trash(2006)

激動(激働?)のインディー時代の最後を飾った作品。前作の路線を押し進めた感じで、“年をとるってこと”のような情緒に富んだシンプルな楽曲も多く、表現の核を見つめ直した感がある。この直後に圭介が詩集を発表するなど、バンドの一時代を総括する時期だったとも言えそうだ。*鬼頭

たましいによろしく ソニー(2008)

奇跡のメジャー復帰を果たした2年4か月ぶりの作品。圭介の弾き語りに演奏を加えた成り立ちの曲が多く、非常にシンプルでメロディアス、美しいフォーク・ロック的な作品集に仕上がっている。“この胸の中だけ”など、穏やかさのなかに深い感動が滲み出る曲がズラリと揃った。*宮本

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