デヴィッド・バーンとファットボーイ・スリムのタッグが届けるのは……あのイメルダ夫人!?
かつてマルコス政権下のフィリピンで圧倒的な権勢を誇った大統領夫人のイメルダ。86年の〈人民革命〉後に残された3000足の靴のコレクションで記憶される〈毒婦〉ですが、DVD化されたばかりのドキュメンタリー映画「イメルダ」などを通じてちょっとした時の人になっているようです。で、今度はデヴィッド・バーンがファットボーイ・スリムことノーマン・クックと組んで、彼女の生涯を掘り下げてみたというわけです。
その『Here Lies Love』はミュージカル的なコンセプトに則ってデヴィッドが曲を書き、20名ものゲストが各場面で歌を担当した作品。もちろん芝居がかった難解な内容ではなく、サウンドはノーマンらしくニューウェイヴ~ディスコを跨ぐダンサブルな仕上がりで、シンディ・ローパーやトーリ・エイモス、サンティゴールド、シャロン・ジョーンズらのポップな存在感は曲単体でも楽しめるはず。なお、主役の2人はノーマンの別ユニットとなるBPAやリミックス仕事で絡んだりしていただけに、今後はストレートなタッグ作品にも期待できそうですね。
▼関連盤を紹介。
左から、2009年公開作のDVD「イメルダ」(JSDSS)、THE BPAの2009年作『I Think We're Gonna Need A Bigger Boat』(Southern Fried)、デヴィッド・バーン&ブライアン・イーノの2009年作『Everything That Happens Will Happen Today』(Todo Mundo/Opal)