マッドリブとギルティ・シンプソンが合体!!
マッドリブが月刊で推進する〈Medicine Show〉シリーズの第1弾で予告されていた通り、彼が全面プロデュースを手掛けたギルティ・シンプソンのニュー・アルバムは、OJ(オーティス・ジャクソン=マッドリブ)+シンプソンということで『OJ Simpson』となった。言うまでもなく94年の殺人事件に絡む裁判で無罪判決を得て話題となった同名の元NFLスター(現在は別件で服役中)に引っ掛けたものである。まあ、ダジャレなのだろうが……中身のカッコ良さはシャレにならんぜ!
そもそもJ・ディラ+マッドリブ=ジェイリブ“Strapped”への客演がシンプソンのキャリアのスタートでもあり、彼の初作『Ode To The Ghetto』(2008年)にもマッドリブは参加していたから、相性の良さは実証済み。ガシガシ轟くダスティーなループに荒々しい侠気フロウの取り合わせがたまらない。往年のホラーコア的な不穏さもドス黒いファンクも両者のセンスがピッタリとマッチしたような出来映えで、これは新たな名コンビの誕生と言えるだろう。なお、マッドリブはその〈Medicine Show〉シリーズの第5弾として、90~2000年の間に作っていた未発表トラックをまとめた『Medicine Show 5: The History Of The Loop Digga』もリリースしたばかり。グッド・ヴァイブなこちらもぜひ。
▼文中に登場した作品を紹介。
ギルティ・シンプソンのニュー・アルバム『OJ Simpson』、マッドリブの『Medicine Show 5: The History Of The Loop Digga』(共にStones Throw)