鋼鉄連載〈OSHIETAL〉、今回は5月16日に胃癌で亡くなったロニー・ジェイムス・ディオの追悼スペシャルだ! かの有名な〈メロイック・サイン(写真参照)〉を一般化させた彼は、72年にエルフのフロントマンとしてデビュー。その驚異的な声量と表現力がリッチー・ブラックモアの目に留まってレインボーの創設メンバーに名を連ね、リッチー&コージー・パウエルとの三つ巴合戦が危険な76年作『Rising』など3枚のオリジナル作品を発表する。その後、オジー・オズボーンの脱退により低迷していたブラック・サバスに加入。メタルの様式美を炸裂させた『Heaven And Hell』などでバンドを第二の黄金期に導く……も、早々に別れを告げて自身初のリーダー・バンド=ディオを立ち上げ、緩急入り乱れた楽曲に乗って歌唱力の高さを猛アピールした『Holy Diver』を発表したり、難民救済プロジェクトを主宰するなど、充実した80年代を過ごすことになるのだ。そして、90年代以降はサバスに再加入~再脱退~ディオ再始動と慌しい日々が続き、昨年もヘヴン・アンド・ヘルという名でサバス仲間を再々集結させ、遺作となる『The Devil You Know』をリリースしたばかり。
とにかく、歳を重ねるごとに声量を増していった男だけに、いまも訃報を現実のものとして受け止められないのは俺だけだろうか。享年67歳。メタルの在り方を提示し、亡くなる半年前までステージに立ち続けた偉大なる鉄人、ロニーを聴かずしてメタルをカタルべからず!
▼関連盤を紹介。
左から、レインボーの76年作『Rising Deluxe Edition』(Polydor/ユニバーサル)、ブラック・サバスの80年作『Heaven And Hell Deluxe Edition』(Vertigo/ユニバーサル)、ディオの83年作『Holy Diver』(Mercury)、ヘヴン・アンド・ヘルの2009年作『The Devil You Know』(Rhino)。ロニー在籍時のレインボーとブラック・サバスのアルバムは、このたびデラックス・エディションとしてリイシューされたばかり!