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ひよこNo.27 八十八ヶ所巡礼

連載
ROCKひよこ組
公開
2010/09/21   18:26
更新
2010/09/21   18:26
ソース
bounce 324号 (2010年8月25日発行)
テキスト
インタヴュー・文/タマコ

 

タマゴからかえったばかりのロック・バンドが登場!

 

 

みなさ~ん、コ~ンニ~チハ~☆ タマゴからかえったばかりのロック・バンドが集まる〈ROCKひよこ組〉担任の……こないだアストロ野口さんに会いに行き(マジで)、やっぱり宇宙飛行士になることにしたタマコです。10ccくらいのお水で身体を洗う練習しないと! さて、今回のひよこちゃんは八十八ヶ所巡礼。昨年のミニ・アルバムとシングルのリリースを経て、八月十八日にファースト・フル・アルバム『八+八』(Psychedelic Progressive Revolultion)を発表しました。ちなみにタイトルは〈ハチタスハチ〉と読みます。

「アホで異常に音楽が好きで、どうしようもない人間たちの経典となるような……とりあえず気合いの入った音を出したいと思っています。〈野暮な音にはしたくない〉精神で曲を作っている感じで、今回は格好良くて偶然性の高い音が入れば……と偶然出来ました(笑)」(マーガレット廣井、ヴォーカル:以下同)。

サウンドはゴツくて男臭いけど、甘めでフリーキーなヴォーカル&メロディーがそこにポップさを加えて硬派になりすぎてないのがイイです。何よりタマコのお気に入りポイントはメタリックなギター! 超カッコイイ!! またこの作品には新曲8曲に加えて過去の作品に収録された楽曲も8曲含まれているので、これから巡礼を開始するのでも十分ですよ☆

「過去の曲は八十八ヶ所の歴史を辿る、という意向で入れました。新曲は、なかでも“日本”は日本のために、“浮世デェト”は私の元を去っていったであろうあの人のために……と、われわれの足りない部分を補うために作っています。“日本”は、日本を歌うなら“君が代”だろうとイントロにそのフレーズを入れたんですが、KatzuyaShimizu(ギター)がメロディーを何となくしか知らないというまさかの事実が発覚して……。でも新作の仕上がりは〈ニンマリ〉の4文字です!」。

レコーディングの時はマーガレットちゃんが風邪をこじらせたものの、「どうしても八月十八日に出せねば、という焦燥感と使命感に駆られ、スタジオ周辺を全力疾走しては歌い、全力疾走しては歌い、というのを繰り返しました」——とハードコアな現場だったみたい。でもその甲斐あってスリリングな内容になってますよ。そんなこの子たちの野望は「親孝行と、行くとこまで行きます」だとか。親孝行は普通にしなよ! ではまた☆

 

ひよこ組のおともだち

 

NN~DURA 『EHIMETAL』 マカロニ

アニメタルとかあったけど、今度はエヒメタルだとか。つまり愛媛在住の正統派メタル・バンドです。申し分ない演奏スキルでスラッシーなサウンドを繰り広げますが、楽曲の主題は地元の有名ラーメン店にカメムシのこととか、親しみやすい!

クリープハイプ 『踊り場から愛を込めて』 primitive

繊細系ギター・ロックで注目される4人組。アニメの声優もいけそうな高音ヴォーカルに驚くけど、クッと心に引っかかるメロディーとその声のマッチングが効いてますね。でもいちばん驚くのは長谷川カオナシ(ベース)の名前と顔。

SMELLMAN 『SMELLMAN』 UKプロジェクト

5つの声で構築された15曲。楽器は使わないけどあきらかにバンド編成なんですよ、これが。ラップと歌を織り交ぜながら、パンクやヒップホップ~ソウルを何となく(!?)横断していく……結構な新感覚ぶりなので、解説が難しいです~!

Schloder 『C mental graffiti』 change up

アニソンとパンクの融合ということですが、どこがアニソン!? まあいいです、ご愛嬌です。きっと煌びやかなシンセ使いのことでしょう。チープな耳触りのパンキッシュな曲もありつつ、ウィーザー風な“forget everything”が白眉!