唐突ですが、ヘッドフォンで音楽を聴くのが好きです。
そして、ヘッドフォン・ラヴァーとして最近とても驚喜した作品が、
オハナミのファースト・アルバム『Ohanami』。
音響の美しさといい、奥行きのある音の配置といい、聴いていて本当におもしろい。
ものすごく絶妙なバランスの上で成り立っているミックスだと思う。
オハナミとは、miimoの電子スティールパン奏者=町田良夫さんと、
NATSUMENのドラマーにして、
石橋英子さんやカヒミ・カリイ・バンドのサポートも務める山本達久さんから成るユニット。
上述の作品は、色彩豊かなグラデーションを描くスティールパンとダイナミックに躍動するドラムを中心に、
ギターやピアノの音色がふわりとたゆたい、ガムラン系の金属音がキラキラと瞬く――、
アンビエントでありながら、なぜか小躍りもしたくなるという風変わりなダンス・ミュージック集。
ヘッドフォンで聴くと、流麗なメロディーと無数のリズムが、
右から左からびゅんびゅん飛んできたり、
斜め前方をふわーっと横切っていったり、
ふと近付いては遠ざかっていったり……と、
とてもエキサイティングな3D体験ができるわけですが、
これをたった二人でどう再現しているのか観たい! ……ということで、
去る10月20日、六本木SuperDeluxeで開催されたライヴへ行ってきました。
あり得ない方向音痴ぶりを発揮し、会場に到着したのは開演から約10分後。
照明は二人の足元にひとつずつ置かれたスポットライトだけ。
ぼんやりと薄暗く、どこか幻想的な場内に足を踏み入れたときに響いていたのは、
〈フォーーーーーン……〉という蛇腹のホースを回す音。
この日のステージは、ところどころにアルバムの楽曲の一部を挿入しながらの即興演奏で、
特に山本さんのほうは、〈怒涛〉という表現を地でいくドラミングを繰り広げながら、
首からぶら下げた袋を手で揺らしてなかに入っている〈何か〉をカチャカチャ鳴らしたり、
〈何か〉をタムの上に置いて、リムを叩く振動でガラガラと鳴らしたり、
背後に〈何か〉を放り投げて金属的な音を立てたり……、
要するに、大量の音が聴こえてくるのだけど、果たして何を鳴らしているのかとても目で追い切ることができない。
それならば……と思い立ち、終演後に図々しくも撮影交渉をして激写させていただいた楽器/機材群が↓です。
まずは、山本さんの足と、手作り楽器類。
ガラガラした音を出していたのは烏龍茶の空き缶を繋げたもの。だいぶ年季が入ってます。
菜箸もあります。ドラムのスティック代わりとして使われてました。
カチャカチャした音を出していた袋がないですね……なかに入っていたのは一体何だったんだろう。
続いて、町田さんの機材。向かって左からオーソドックスなスティールパンと、Macと、電子スティールパン。
電子スティールパンからは、ピアノの音色をはじめとした滑らかなメロディーがほわほわと紡ぎ出されておりました。
あの音、全部打楽器で出してたんだなあ、と思うと驚愕だ。
そしてイヴェントも終わりに近付いた頃、改めてお二人にご挨拶したところ、山本さんに
「さっきの写真で大丈夫ですか? 人物の写真は撮らなくてもいいんですか?」
と問われ、ここで初めてお二人の写真を撮り忘れていたことに気が付いた、なかの人。
そんなわけで、改めて記念写真を撮らせてもらいました。
左から、山本さん、レーベル・オーナーのエリーさん、町田さん。
山本さんいわく、SuperDeluxeはピザが絶品だそうです。
ちなみに写真はすべて某スマートフォンで撮っています。行き当たりばったりです。
この日はライヴ写真を撮影している最中に(偶然)ズーム機能を体得しました。
急に画像が大きくなって、びっくりしてシャッターを切った一枚が↓です。
写真の腕も少しずつ上げながら(というか、某スマートフォンの機能を少しずつ覚えながら)、
たまにこういったライヴ・レポートのようなものも書いていきます、たぶん。
台風が近付いてきました。
そろそろ帰ります。