待たせたな、鋼鉄連載〈OSHIETAL〉の時間だぜ! 今月はポール・ギルバートが復帰し、オリジナル編成としては14年ぶり、前作『Actual Size』から数えても9年ぶりとなるニュー・アルバム『What If...』を完成させたミスター・ビッグを教えたる! 89年のデビューから2002年の解散まで、とりわけここ日本で絶大な支持を集めてきたのはご存知の通り。エリック・マーティンによるカヴァー企画〈Mr. Vocalist〉をはじめ、メンバー各々が精力的に活動していたなか、2009年に届けられた再結成のニュースに狂喜したファンも多かろう。また、最近ではZeebraが“Fly Away”で“Take Cover”をサンプリングしたことで新たなリスナー層からも熱い視線が注がれており、まさに絶好のタイミングで新作が到着したというわけだ。
そんな注目の『What If...』、まず驚いたのがバカテク集団ならではの速くてテクニカルな楽曲がかつてないほど収録されていること(彼らのことをバラードのオッサンなんて思っている輩は即土下座すべし!)。で、そこに良質なメロディーが合わさるのだから、最高じゃないか! 断言しよう、これは91年作『Lean Into It』をも凌ぐ、キャリア中でもっとも完成度の高い出来だ! すでに2009年には武道館公演を成功させているが、2011年は久々の大規模な世界ツアーも行うとのこと。いよいよ真の〈ビッグ〉になれそうな予感漂う彼らをチェックせずして、メタルをカタルべからず!
▼関連盤を紹介。
左から、エリック・マーティンの2010年作『Mr. Vocalist 3』(ソニー)、2010年のZeebraのシングル“Fly Away”(ARIOLA JAPAN)、ミスター・ビッグの91年作『Lean Into It』(Atlantic)、同ライヴDVD「Back To Budokan」(WHD)