アーティストが各テーマに沿ったお皿(CD)を紹介する連載に、今月からプラスティック トゥリーが登場。メンバー4人が交代で、今昔名盤夜話をお届けします。初回の担当は長谷川正!!
[ 今月の夜話盤 ] SMASHING PUMPKINS 『Mellon Collie & The Infinite Sadness』 Virgin
まずは前作『Siamese Dream』で彼らを知った時……〈とにかく掴みどころのないバンドだなあ〉というのが第一印象でした(笑)。
いわゆるヘヴィー・ロック的な音の厚みも、シューゲイザー的なギター・アンサンブルもありながら、どこかそういったアーティストには分類できない異質さがあったのです。
しかしながら、強く心魅かれたのもまた事実……そして、そんな気持ちを踏まえての『Mellon Collie & The Infinite Sadness』。
音楽的な幅はより拡がって、しかも2枚組!
ということで、彼らにしか表現し得ないスマパン・ワールドが〈これでもか!〉とばかりに展開しています。
アートワークにも表れているノスタルジックな世界観からエモ剥き出しのラウド・チューンまで、例えるならばサーカス団のようなドキドキワクワクの応酬なのです!!
個人的に理想とするバンド像を具体的に体現してくれたアーティストとして彼らの存在はいまでもかなり大きく、このアルバムは聴くたびにいろいろな情景を見せてくれる大切な作品です。
PROFILE/プラスティック トゥリー
有村竜太朗(ヴォーカル)、長谷川正(ベース)、ナカヤマアキラ(ギター)、佐藤ケンケン(ドラムス)から成る4人組ロック・バンド。95年に初音源となるミニ・アルバム『Strange fruits -奇妙な果実-』を発表し、97年にシングル“割れた窓”でメジャー・デビュー。2010年12月には有村がギラン・バレー症候群を発症。年末のコンサートが中止となったが、3月より開始する全国ツアー〈Plastic Tree ライブハウスツアー2011「アンモナイト(小)」〉にて完全復帰することを宣言。4月6日にはニュー・アルバム『アンモナイト』(徳間ジャパン)のリリースも控える。そんな彼らの最新情報については、こちらをご覧ください。