10年ぶりのアルバム『liminal』を発表する砂原良徳にとって、その直前に出演する〈SonarSound〉は新作の楽曲をオーディエンスの前で初披露する機会となる。その意気込みを訊いてみよう。
——ステージの構想はもう固まっていますか?
「ライヴはいつもサポート・メンバーと映像担当との三人でやるんですけれども、ステージの後ろにスクリーンがあって、っていうスタイルは基本的には同じですね。ただ今回のアルバムがいままでやってきたものとは若干違っていて、抽象度がさらに高いので、それがどういう形になって、観てる人たちがどういう反応を示すのかっていうのはまったく想像できないっていう(笑)。まあ〈Sonar〉に来るお客さんだったらたぶん、それなりに受け入れてくれるんじゃないだろうかっていう、そんな甘い考えで(笑)いま仕込んでいる最中ですね」
——〈Sonar〉に来るお客さんであれば……ということですが、イヴェントそのものにはどういう印象を持たれていますか?
「やっぱりアートにちょっと寄った感じのもので、あと、生楽器のイメージがあんまりないですよね。どっちかというと電子楽器とかコンピューター系のイメージ。なので、すごいやりやすいなっていう部分もあるし、あと自分が観たい人も出たりするし(笑)」
——その、観たい人というのは?
「池田亮司さんですね。本人がどういう人なのかわからないですけど、僕からすると、もう何よりもパンクだなと思って(笑)。すごく魅力的です。うん」
——どういうところがパンク?
「単純に表現方法とか……アートとしてのコンセプトがカッチリ存在するんですよね。あとは説得力だったり、ずっとそれを持続してやり続けてるところだったり。ギター持って〈ギャー!〉ってやってるのよりも、数百倍パンクに見えますけどね、僕には。もう10年以上前に観たことがあるんですけど、ものすごい衝撃があって、今回もたぶんすげえんだろうな、と。当日は自分がやることよりそっちのほうが楽しみです(笑)」