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カセットコンロス

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NEW OPUSコラム
公開
2011/04/01   13:31
更新
2011/04/01   13:33
ソース
bounce 329号 (2011年2月25日発行)
テキスト
文/宮内 健

 

陽気なカリプソ・バンドによる、久々の新作と入手­困難だった過去作を一気に聴いちゃえ!

 

 

毎回、多彩なゲストを迎えて行われる下北沢440での〈ミュージック・グリル440°〉を筆頭に、精力的なライヴ活動を展開してきたカセットコンロス。カリプソをベースにしながら、その源流にあるアフリカ音楽をはじめとしたさまざまな黒いビートへの探究心をバンド・サウンドに反映させ、さらには日本人的な情緒や哀愁を感じさせる歌心をも折衷したセンスは、もはや本場のカリプソ云々を遥かに飛び越え、彼らにしか出し得ない唯一無二の音楽へと昇華している。そんなコンロスの5年ぶりの新作『Calypso A Go-Go』は、パーカッションに辻コースケ、ベースにダイスケが新加入してから初の音源。バキンバキンにイナタい音を奏でるワダマコトのギター、激しくブロウするアンケンのサックス、ドラムのフケさんを中心とした自由奔放なリズム隊——一発録りで収録された本作は、彼らが夜な夜な繰り広げているステージの濃密なテンションと暴走気味なグルーヴをそのまま封じ込めた傑作だ。

またこちらのリリースに合わせて、入手困難になっていた2003年作『カプリソ』と2004年作『パラボラ』の2枚が2枚組の『from 2003 to 2004』としてリリースされた。ライヴでも盛り上がること必至の人気曲から、コンロスならではのメランコリックな詩情が味わえる“メロディ”“やけに長い一日”などを収録。ニュー・アルバムと共に聴けば、カセットコンロスというバンドがいかに貴重な宝石のような存在であるか、きっとわかってもらえるはずだ。