字数は少なくても濃密な作品だらけ
まず推薦したいのは、ジョン・モラレスのミックス仕事をまとめたコンピの第2弾『The M+M Mixes Volume 2』。インナーライフからテディ・ペンダーグラス、一連のサルソウルものまで、ディスコ好きならずともマストですよ。フィリー産のレア音源集第3弾『Spirit Of Philadelphia 3』は、その前史として聴くこともできるソウルフル&メロウな必携盤です。
単独作なら、レオン・ヘイウッドの『Back To Stay』(73年)と『Keep It In The Family』(74年)をセットにした初CD化に注目! ドクター・ドレーらのネタ使いで知られるクールな名曲“I Want'a Do Something Freaky To You”もボーナス収録されていますが、ディープな歌心を熱く発散していた時代も良好なのです。また、70年代の印象が強いアイザック・ヘイズの86年作『U-Turn』は、サーフィスらによる黄金期のブラコン作法に独特の低音ヴォイスを溶いたアダルトな逸品。大人ムードで披露される〈君の瞳に恋してる〉も妙にエロティックでヤバいのです。
▼文中に登場した作品を紹介。
左から、ジョン・モラレスの編集盤『The M+M Mixes Volume 2』(BBE/OCTAVE)、フィリー秘蔵音源のコンピ『Spirit Of Philadelphia 3』(Expansion)、レオン・ヘイウッドの『Keep It In The Family/Back To Stay』(Shout!)、アイザック・ヘイズの86年作『U-Turn』(Columbia/Expansion)