結成10年目に届けられた宇宙からの贈り物
現行スピリチュアル・ジャズの最高峰、ビルド・アン・アークの結成10周年を記念して未発表音源を集めた編集盤『The Stars Are Singing Too: 10 Year Anniversary Special 2001-2011』がリリースされた。ヤコブ・レヴィの美しいピアノ・ソロ曲やデンテルによるリミックス、話題を呼んだヴァン・モリソンのカヴァー“Sweet Thing”のアウトテイクなどを、リーダーのカルロス・ニーニョがみずからチョイス。彼らの歴史を俯瞰できるのはもちろん、(曲の繋がりや全体の流れも素晴らしいので)ミックスCDのようにも楽しめる。
また、その創設メンバーでもあるヴォーカリスト、ギャビー・ヘルナンデスの編集盤『Sweet Starry Night』も同時に登場。フォルクローレやエレクトロニカ、オペラタッチなサウンドの上で、ギャビーのオーガニックな歌声が舞うドリーミーな音世界には、思わずため息がこぼれてしまう。どちらも、生命の息吹を感じさせるような素晴らしい作品だ。