ラジオ感覚で読む/聴くオールディーズ秘話
40年以上に渡ってラジオ業界を牽引してきた名DJが、ビートルズ以前のロックンロール(いわゆるオールディーズ)を中心とした秘話を、自身のリスナー体験を交えて書き綴った好著「亀渕昭信のロックンロール伝〜16歳の僕はドーナッツ盤に恋をした」。大衆音楽黎明期における音楽ソフトの変遷&販売合戦や黒人音楽が白人文化に接収される過程、ヒット曲作りに翻弄されるプロデューサーやDJの奮闘など、業界人ならではの視点から紐解かれる裏事情の数々が実に興味深い。しかもラジオ同様の軽妙な語り口(オヤジギャグ満載)だから、読み手もスイスイとページを手繰ってしまうという寸法だ。
また、本書の内容に準じた同名コンピも登場している。これが凡百の〈懐かしのオールディーズ〉なコンピとは一線を画した、学究的とも言えるこだわりと豊かな遊び心に溢れた逸品! 流石です、カメさん。