ハマ・オカモト先生が聴き倒しているソウル〜ファンクを自由に紹介する新連載!
【今月の課題盤】 THE METERS 『The Meters』 Josie (1969)
連載1回目ということで、いろんなメディアで一枚紹介してくださいと言われた時に必ず挙げているミーターズを紹介したいと思います。ミーターズとは60年代後半から活動しているニューオーリンズのファンク・バンド。僕が大好きなレッド・ホット・チリ・ペッパーズがよく自分たちのルーツを紹介していて、そのなかにミーターズという名前があったので調べてみた……というのが最初の出会い。レッチリは『Freaky Styley』でミーターズの“Africa”を“Hollywood(Africa)”っていうタイトルでカヴァーしているんですよね。はじめ、〈なんで(Africa)なんだろう……?〉と思ったら、そういうことだったっていう。
ニューオーリンズは、ソウル〜ファンク・ミュージックを紹介していくにあたってとても重要な土地です。USには土地によって毛色の違うシーンが存在するんですが、なかでもここは特に独自の音楽シーンが根付いています。そこのアーティストは若干クセが強いので聴きづらいこともしばしば……。でもミーターズはすごくシンプルでキャッチー。演奏はルーズだけど、そこがとても人間っぽくて愛嬌があるんです。このバンドはネヴィル兄弟が中心となったグループで、メンバーのジガブーはニューオーリンズの代表的なドラマー。僕にとって、歌がなくてもこんなにワクワクできるんだ!と初めて思わせてくれたのがミーターズでした。知った当時は1年くらいぶっ続けで聴くくらいハマりました。ジョージ・ポーターJrが弾くベースは強烈で、楽器を演奏する人は余計興味が湧くと思います。リフも垢抜けてるしわかりやすいんだけど、簡単にコピーできるようなリフじゃなかったりとかね……ニクイんですよ(笑)。
で、まずはどの作品から聴けば良いかと言えば、僕はファースト・アルバム『The Meters』をオススメします。この作品の1曲目“Cissy Strut”にまず衝撃を受けましたね。この曲はその後たくさんのアーティストにカヴァーされていて、最近ではジョン・メイヤーがライヴで演ってたりとか、時代を超えて演奏され続けているスタンダードなんです。ジャケも、決して派手じゃないしカッコ良くないんだけど、何だこれ!と思わせるセンスがカッコイイんですよね。その後の歌モノの曲も聴いてほしいんですが、やっぱりまずはこのアルバムから入るのがイイと思います。
ちなみにミーターズはいまでも現役! 一回解散したり、バンド名がファンキー・ミーターズに変わっているけど、いまだ活動しているレジェンドは貴重です。歌がないしつまらない!と思うかもしれませんが、ミーターズはきっと後からジワジワくるはず! 今後この連載を読んでいってもらえればその意味がわかりますよ!
▼今月の副聴盤、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの85年作『Freaky Styley』(Capitol)