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ひよこNo.39 memento森

連載
ROCKひよこ組
公開
2011/09/21   00:00
更新
2011/09/21   00:00
ソース
bounce 336号 (2011年9月25日発行)
テキスト
インタヴュー・文/タマコ


タマゴからかえったばかりのロック・バンドが登場!





みなさ〜ん、コ〜ンニチハ〜☆ タマゴからかえったばかりのロック・バンドが集まる〈ROCKひよこ組〉の担任、タマコです! 最近、朝夕食だけ炭水化物を抜いています。でもそのぶんおかずを食べまくっちゃうし、デザートも止められないのでまったくターボ意味なし。さて今回のひよこちゃんは、ファースト・ミニ・アルバム『ex-parable』(MONOTONE)を発表した神戸のmemento森です♪ しっかし……どういうバンドかはっきり説明できない、掴みどころのない子たちなんです……。サイケ・ロックやアシッド・フォーク、THA BLUE HERBを匂わせるヒップホップやらダブ・ナンバーが入り混じり、民謡のようにも演歌のようにも聴こえる歌があったりとかして……何これ!

「結成当初から、誰も聴いたことがない、もしくは聴いたことがある何かと何かがあり得ない形で並列している音楽を作れると思ってました。入り乱れたルーツが雑多な音楽性に影響を及ぼしていることは確かです。今回はライヴではできないことを盛り込んで、より〈イメージの伝達〉を浮き彫りにする、そして〈過去の清算〉をテーマ作りました」(宮地、ヴォーカル:以下同)。

聴けば聴くほど奥深いんです。特にインスト曲“新世界の路地裏”は、どこかのトラッド音楽みたいだけど……どこだかわからない……みたいな不思議な感覚に陥っちゃったりもして。

「これはセッションで作ったんですが、〈新世界〉という言葉に対して、関西人は汚い路地裏の汗や油の匂いを思い浮かべる、でも大阪の新世界を知らない人はどこか遠くの地、なんやったら草原とか広大な海とかを思い浮かべる。そういったイメージの絶妙な相違を狙って、きれいなフレーズにあえて東洋的なフレーズを加えてみたりしました」。

タマコは完全に後者でした! また、冒頭の“「”、ラストの“」”という語りナンバーも表題含めて意味深。

「まったくもってコンセプト作なんです。その最初と最後の曲には仕掛けがあるし、気分によってポジティヴにもネガティヴにも聴こえる。だからリピートして聴いてほしいし、毎回違うものを聴いてる感覚になってもらえるといいなと。この作品が完成して、いよいよ始まったか……という感じですね。今後も錯綜させるような作品や楽曲になっていくだろうと自覚しています」。

だって! どんどんタマコを惑わせて〜!! また次回☆ 



ひよこ組のおともだち



バックドロップシンデレラ 『シンデレラはウンザウンザを踊る』 NaturalAfro

ウンザウンザ——ジプシー・パンクやスカなどを混ぜた音楽のことですが、これを〈池袋の真ん中で〉踊るバンド。〈池袋のゴーゴル・ボルデロ〉とも言うべき壮絶なウンザっぷりは、まったく侮れません!

 

VIDEO 『23区S』 NICE

聴き心地は真っ当にポップなんだけど、どこかストレンジで捻くれたムードを漂わせていて、どことなくクラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーみたい。ちょいヘロなヴォーカルもちょい似だったりるすし。ひと昔前のUSインディーのかほりがプンプンです。

 

The_AIU 『MINORITY』 HILLS

インドネシア出身で、地元でも活動するシンガー、アユ・ラトゥナちゃんを含む、(かつての)ドリカム状態な3人組。打ち込みもふんだんに用いたダンス・ロックで、結構硬派な印象のサウンド。ラトゥナちゃんの声がまたちょいエロでイイんです〜!

 

SAKANAMON 『浮遊ギミック』 BUDDY

アジカンと、“ワンダーフォーゲル”していた時のくるりをミックスしたらこの子たちになる気がします——とか思っていたら、資料に同じようなことが書いてありました……。エニウェイ、とても心が晴れやかになるギター・ロックですよ!