Photo by Terumi Fukano ©AIR JAM 2011
11年前の記憶が
加藤直子「〈AIR JAM 2011〉、なんだか夢のように過ぎていったような気がします……(しみじみ)。荒金さんはかつての〈AIR JAM〉も参加してるんですよね?」
荒金良介「そうですね、98年と2000年に」
加藤「私もまったく同じです! でもそれこそ11年前は鼻水垂らして走り回ってるようなお年頃だったので、正直その時のことはぼんやり程度しか記憶にないんですけど、やっぱり実際に行ってみると記憶がいろいろと蘇ってきました」
Photo by Yuji Honda ©AIR JAM 2011
荒金「僕も会場に入って、スケートのランプがアリーナにあって、BMXのライダーやスケーターがパフォーマンスしている光景はその当時と変わらない!と思ってアガりましたね」
加藤「今回もまた〈AIR STAGE〉〈JAM STAGE〉とステージがふたつ並んでるところも変わらず。でもいちばん変わったのは客層でしょうか(笑)。やっぱり大人率も高かった気がするし、まさかの〈ファミリー・シート〉も登場したこともあって、とにかく子供が多かった! まあ客層というか、客自体は変わってないんですかね……」
荒金「当時来ていた観客が年を経て家族ができて……というのが多かったんでしょうね。ハイスタのメンバー自身も親になったというのもあるでしょうし、そういう配慮が」
Photo by Terumi Fukano ©AIR JAM 2011
加藤「まあ、〈フジロック〉にしても子連れはいるし、決して珍しいことではないけど、〈AIR JAM〉っていうパンクなフェスで、身体に墨が入った強面な人もいるなかにキャッキャしたちびっ子がいるという絵面は非常にユニークでした(笑)。ちっちゃい子たちが〈AIR JAM〉Tシャツ着てるのは可愛かったですね!」
アリーナはカオス
荒金「確かに可愛かったです(笑)。ところでどこらへんで観てたんですか?」
加藤「私はスタンドで。大人ヅラしてじっくり腰を据えて観てましたよ」
荒金「僕は頭からずっとアリーナの最前ブロックにいたんです」
加藤「えー!! ヤングですね~。その昔は私もアリーナで圧死&撲死しそうになりながらがんばってましたけど、流石にもう無理です……」
荒金「ずっと〈AIR〉〈JAM〉ステージの間を右往左往していて。天気も日中は夏真っ盛りみたいな陽気だったこともあって、もう本当にヘロヘロになりました。でも、過去の〈AIR JAM〉はまず入場するのも、物販でも長蛇の列というのが緩和されているところは良かったですよね」
加藤「あー、そうでしたね……えらく並びましたね……(しみじみ)。ところで、スタンドで観てる限り、アリーナは流石にノリが熱いようでしたが、どうでした?」
荒金「まさにカオスで、後方までギュウギュウでしたよ。特にマキシマム ザ ホルモン、ハイスタの時は凄まじくて、目の前の人がペットボトルを投げようとして、そのペットボトルの水を顔面にもろ喰らうようなことが2回ほどあって……(しばらくアリーナこぼれ話が続きますが割愛)。アリーナは圧倒的に若い人が多いように感じました。〈AIR JAM〉初体験、ハイスタを初めて観るような人は〈伝説を目撃できる!〉といった感じなのか、ギラギラした人が多かったと思います」
加藤「ペットボトル投げ込んでる人結構いましたね。普通にステージまで届いてたし……お行儀が悪いわ(笑)!」
貫禄の常連勢
Photo by Tsukasa Miyoshi ©AIR JAM 2011
荒金「加藤さんは最初からいなかったみたいだから知らないかもしれないですけど、トップバッターの磯部正文が始まる前に、この日の出順をウグイス嬢がアナウンスしてて、そういう遊び心も良かったですね」
加藤「今回もバックスクリーンに打順みたいに出演バンドが表示されてました。流石スタジアム! そういえば磯部さんの時はHUSKING BEEの曲も演ったみたいですね」
荒金「そうそう。後半で元ハスキンのどんどん(平林一哉、ギター)が出てきて、これにはみんなどよめきましたよ。ハスキンの“新利の風”、あと初期の名曲“WALK”をいっしょにプレイしていたんですが、特に“WALK”では観客がドドーッと前に押し寄せて、凄まじい盛り上がりでした。かつての〈AIR JAM〉での光景が蘇るような、異様な熱気がありましたよ」
加藤「へぇ~初っ端からオイシイ感じだったんですね!」
荒金「加藤さんはどこからスタートだったんですか?」
Photo by Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER) ©AIR JAM 2011
Photo by Tsukasa Miyoshi ©AIR JAM 2011
加藤「私はSCAFULL KINGから……遅ればせながら……。昔から本当に大好きなバンドで、SCAFULLの曲がいちばんその当時にタイムスリップできるんです……(しみじみ)。最初の“YOU AND I, WALK AND SMILE”から気分は短パン! 田上さんがMCで〈サブライムの代打〉みたいなことを言ってましたけど、私にとっては〈AIR JAM〉にSCAFULLが出てないのはやっぱりしっくりこなかったと思う」
荒金「サブライムもすごい観たかったけど、あの客の暴れっぷりを観ると、LOW IQ 01もそうですが、やっぱり外せないなと思いましたね。事実、あのパーティー感はホント唯一無二」