バンドの変遷を記録した、ライヴ関連2作品!
東京事変がライヴ絡みの2作品を発表した。ライヴ・ベスト盤『東京コレクション』は、示唆に富んだ新曲“三十二歳の別れ”(“22歳の別れ”へのオマージュ?)を始点に、過去へと遡っていく。バンドの回顧録として、変遷を逆回しで観る感じだ。時期ごとの音の変化が楽しめるが、何より異能のメンバー5人による丁々発止(というか個性のぶつかり合い)が凄い! プログレッシヴでアクロバティックなバンド・アンサンブルや先鋭的なアレンジなどはまさにその賜物だろうし、それは先日のラスト・ミニ・アルバム『color bars』がメンバー各々1曲ずつ持ち寄る体裁だったことにも繋がるだろう。本作は彼女たちがバンドとして常にフレッシュであり続けた記録であると同時に、椎名林檎のソロ曲“丸の内サディスティック”のバンド・カヴァーや“閃光少女”“キラーチューン”などの代表曲を押さえたオールタイム・ベストでもある。
そしてライヴDVD「Discovery」は、昨年末に行われた東京・国際フォーラム公演を収録。心技体が一つのピークを迎えたバンドの姿を記録している。願わくば、〈その先〉のサウンドも聴きたかったが、いまはこの充実したパッケージをご堪能あれ。
▼文中に登場した作品を紹介。
左から、ライヴ・ベスト盤『東京コレクション』、ライヴDVD「Discovery」(共にEMI Music Japan)