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(第2回)ユニットが2つあるんですか?

それぞれの個性とポジション

連載
LinQにQつのQuestion!
公開
2012/03/07   18:01
更新
2012/03/07   18:01
テキスト
インタヴュー・文/出嶌孝次


それぞれの個性とポジション



LinQ_A2P
Photo by Kayoko Yamamoto



Q. 前回リーダーについて伺ったので、今回は副リーダーの原直子さんの働きについて教えてください。

「原はオーディションで合格はしてたんですけど、大学の卒業旅行に行ってて1週間ぐらい合流が遅れたんです。だから、1期生でいちばんスタートが遅かったんですよ。ダンス経験もなく、そんなにアイドル的な意味で目立つ子でもないので、理工学部出身でお天気キャスターをめざしてるっていうプロフィールがおもしろいなと最初は思ってたんですけど。そんな状況だし、ハコが小さい場合は全員がステージに出られるわけじゃないんで、公演もそんなに出られず。それでも僕らの目に留まったのは、レッスン中にノートをずっと取ってて、曲ごとの全員のフォーメーションを覚えようとしてたんですね。その結果、誰かが急な病気や怪我で出られない時でも、彼女ならどの曲の誰の位置でも全部覚えてこなせるようになったんですよ。振付担当のSOさんも覚えてないフォーメーションとかを彼女に尋ねてるぐらいで(笑)、SOさんをして〈俺の右腕〉だと言わしめるぐらいの動きを見せるようになってきたんですよね。そういう努力ってなかなかできるものじゃないし、こいつは凄いなと思いまして。本人は〈私はセンターとかになれないんで、どうしたらいいですかね〉という感じだったから、スーパーサブになってくれという話をしたんです。〈センターになれる人も多くないけど、スーパーサブをやれる奴もそうはいない〉って。しかも、そうやって努力して上達してきてる様子を見て、下の子からも〈直子さん直子さん〉って慕われるようになって。それで、上原あさみの負担を分散させたいというのもあって、副リーダーをやってもらうことにしたんです。なんとか日の目を見させたいと周りから思われるようなタイプの子なんですよ。そういう肩書きがあると、こうやって取材でも名前を出して訊いてもらえますし(笑)」


Q. もうひとりの副リーダー、秋山ありすさんについてはどうですか?

「秋山ありすの場合は、メンバーをまとめてくれというより、何かを負わせることによって、本人が一皮剥けるきっかけになってほしくて副リーダーにした感じですね。いわゆるリーダーシップなら深瀬智聖や奥村ゆいのほうがあると思いますけど、彼女たちはそう呼ばれなくても周りを引っ張るポジションになってるんですよね。それなら、役職を与えることで伸びる子のほうがいいんじゃないかと思ったんです。秋山はめちゃくちゃ頭が良くて、自分より幼い子たちにわかりやすく話を伝えるのがうまいから、年少メンバーに対しての通訳になってくれという感覚もありました(笑)。彼女はいま医大生で、将来は医者になるんですけど、お医者さんって相手の患者さんの目線に合わせて話をしなきゃいけないじゃないですか。どういうふうに人と接したら相手に伝わるか、彼女がそれを毎日考えるようになったらめっちゃいいお医者さんになれると思ったんですよね」


Q. 副リーダーでいうと、まだ14歳と若い城崎はるなさんがQtyの副リーダーに抜擢されているのはなぜですか?

「そうですね、城崎がしっかりしてるからというのも当然あるんですけど、若い奴から言わせたい、っていう狙いもあって。もちろん年長者を呼び捨てにしたりタメ口で話すのはどうかと思いますけど、言うべきことは年齢が下でもしっかり発言してほしいし、ステージに立ったら年齢は関係ないんだぞ、っていうのを全員に自覚してほしいという思いもありますね」


Q. Ladyの一ノ瀬さんを中心にPinQもスタートしていますが、そうした派生ユニットのようなものは今後も生まれてくるのでしょうか?

「いろいろ周りの方にアイデアをいただきつつ、この2チームとはまた別のユニットが登場する可能性はあります。PinQも年齢に幅のあるLinQだからこそ生まれたものですね。きっかけは一ノ瀬がTwitterで〈実はパチンコが好き〉ってつぶやいたんです。それはおもしろいなと思って見てたんですけど、運営サイドも労力を割ける余裕があるわけじゃないので〈自分で企画書書いてプロデュースするぐらいの気持ちでやるんやったら応援はする〉と伝えたら、本人もやりたいと。それから自分で衣装をデザインしたり、いろいろ資料を集めていっしょに営業したりとか、結果的には仕事として成立して、本人たちも楽しくやってるし、すごく良かったなと思ってます。深瀬も〈ブンブンバァ〉をきっかけに宇多丸さんのラジオに呼んでいただけたり、そういう姿勢そのものが他のメンバーにも波及して〈自分はLinQというカテゴリのなかで、どんな秀でたフックがあるだろう?〉って考えてくれれば、互いに良い影響になっていくと思いますね」