ふたりのDJが再解釈するカルトな世界
何でも〈80年代風〉とか〈ニューウェイヴィー〉と形容しておけば解決した気になれるような風潮が生まれて10年以上が経ちますが……それらがつまりは2000年代型サウンドだとして、一方ではオリジナルのニューウェイヴを現代的に再提示する試みも続いています。ここで紹介するのはそんな2品。
まず、ストーンズ・スロウを主宰するピーナッツ・バター・ウルフの編むコンピ第2弾『Minimal Wave Tapes Vol. 2』は、世界各地のカセットテープなどから発掘した音源を詰め込んだもの。比較的著名なイン・エテルナム・ヴァレーもアルバム未収音源をピックするほどのこだわり具合です。もう1枚、かつてアウトプットを率いたトレヴァー・ジャクソンによる『Metal Dance』は、ニッツァー・エブやノイバウテンなども含むボディー・ミュージック寄りの内容で、やはりレアものもキッチリ収録。いずれもカルトな佇まいですが、近年のコールドウェイヴやミニマル・シンセものに通じる楽曲は普通にかっこいいので、ピンときた人はぜひ一聴を!
▼文中に出てきた作品を紹介。
左から、ピーナッツ・バター・ウルフ監修のニューウェイヴ・コンピ『Minimal Wave Tapes Vol. 2』(Stones Throw)、トレヴァー・ジャクソン監修のニューウェイヴ・コンピ『Trevor Jackson Presents Metal Dance』(Strut/!K7/OCTAVE)