Caravan、5月4日「「LIVE EXTRA みどりの日」@日比谷野外音楽堂を開催!
Caravanの音楽に触れる行為は、自分のなかにある扉のドアノブに手をかけることなのだと。改めてそう気づかせてくれたのは、昨年リリースされた彼の7作目『黄金の道 soundtracks』だった。架空の映画の
サントラといった風情を持つその1枚は、アフリカン・テイストのエスニックなナンバーからジャジーなポエトリー・リーディング曲まで多彩なアプローチが採られた意欲作だったが、どの曲も扉の向こうには見ずには死ねない風景がまだまだあるはずと耳打ちしてきて、聴くたびにソワソワしたものだ。
そのアルバムのイメージを舞台化した2月の『Caravan LIVE EXTRA CINEMA~黄金の道~』のステージ上において、Caravanはインディーズ宣言を行っていた。世話になったメジャー・レーベルに〈サラバ〉と告げて、ゼロからふたたび出発するのだと集まったオーディエンスたちに語った。〈Slow Flow Music〉というレーベルを立ち上げて、今後はここから音楽を発信していく。ということは、この先いっそうフットワーク軽く動き回る彼が見られるようになるんだな、なんて単細胞な思考を働かせてしまったものの、レーベル第一弾となるニュー・アルバム『The Sound On Ground』を聴く限り、こちらの期待が裏切られるようなことは決してなさそうである。
演奏をはじめ、録音からミックスまですべてひとりで行ったというこの新作は、〈Slow Flow〉を音で表しているかのような風通しの良くて香ばしいアコースティック・チューンが満載だ。彼の代名詞とも言える伸びやかで温かいサウンドの向こうには、ひとり焚き火をつついているCaravanの姿がいつもより色濃く浮かび上がっているのも印象的。新しい旅立ちの覚悟が滲む歌詞には、喜びや嬉しさばかりでなく、随所で砂交じりの風も舞い上がっているのだが、彼の心のなかのざわめきに耳を傾けながら、これこそが旅の醍醐味なのだと改めて知ることも楽しかったりする。そんなCaravanのライヴが、ゴールデン・ウィークの佳境である5月4日に日比谷野外音楽堂にて開かれる。彼が心から愛するミュージシャンを集めるというそのステージは、新たな門出を祝う会となるはずで、春の日比谷の森に幸せの鐘が鳴り響くことになるだろう。そんな記念すべきパーティーにわれわれも運良く参加できるわけだ。なおそこでは『The Sound On Ground』が先行販売されるそうで、新しい風景につながっているドアのノブに一足早く手をかけることもできるみたいだ。では皆さん、会場で。
Caravan LIVE EXTRA 2012 みどりの日2012年5月4日(金) 17:00開場/ 18:00開演
会場:日比谷野外大音楽堂
全席指定 \4,500 3歳以上チケット必要
お問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888