レコード・ストア・デイにアナログ限定で発表された話題のコラボ盤が、待望のCD化!!
ケシャとボン・イヴェールを同じアルバムに招いているってだけでも相当凄いことだと思うけど、〈豪華ゲスト〉などという陳腐な言葉で片付けないでほしいと切に願ってしまうのは、共演者たちがフレーミング・リップスの宇宙にずっぽりダイヴインしているからだ。異種交配をめざした作品ではなく、このコラボ盤『The Flaming Lips And Heady Fwends』では〈リップスのカラーに染まりましょ大会〉が繰り広げられている。自由でサイケデリックで、時に神懸かってさえいるドリーミー・ジャム。前衛系のオノ・ヨーコやネオン・インディアンの参加はそれとなく頷けようが、え、ニック・ケイヴ? マイ・モーニング・ジャケット? それにもう1回言うけどケシャ? こういう自己世界をしっかり確立しきった面々を、リップス・ワールドに引き込もうとする勇気が最大の収穫だし、おもしろさ。エリカ・バドゥ(&妹)が全裸で挑んだPVは、彼女が後から焦りまくったようだけど(それもわかるが)、これぞ爆裂アートの極地。既成概念からの脱却と、音楽の自由度の高さが身に染みる。
▼関連盤を紹介。
左から、ケシャの2010年作『Animal』(RCA)、ボン・イヴェールの2011年作『Bon Iver』(Jagjaguwar)、エリカ・バドゥの2010年作『New Amerykah Part Two: Return Of The Ankh』(Universal)