欧米文化を独自解釈したヤバすぎる音楽たち
ヨーロッパでにわかに注目されている、70年代のイラン産ポップス──革命前の、まだ欧米から影響を受けていた頃の音楽──をまとめたコンピが2枚登場! まず『Zendooni』は元ネタが連想しやすいジャズ、ファンク、サイケ・ロックを我流の解釈で踏襲しつつ、そこに伝統的な旋律を描く歌&民族楽器の音色を融合(というか激突?)させたような、エキゾティックで衝撃的、刺激的すぎるナンバーだらけ。節回しとか、タブラとシタールに近い音色の楽器が鳴らされているからか、何となくインド映画のサントラっぽく聴こえてくる瞬間も多い。
で、地元でもあまり知られていないという音源を集めた『Zendooni』に比べ、お次の『Khana Khana』には当時のヒット・チューンをたっぷり収録。こちらは欧米ポップ・フォーマットを拝借したというより、同じ楽器を使ってまったく違うポップスを構築したような曲が多く、驚愕度が高い。辺境音楽の珍盤として認識するだけではもったいない、独特の洗練を遂げた高品質なナンバーが並んでいるので、ガッツリ聴き込んで楽しむに値する作品と言っていいだろう。