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ひよこNo.51 NINGEN OK

連載
ROCKひよこ組
公開
2012/11/21   00:00
ソース
bounce 350号(2012年11月25日発行)
テキスト
文/タマコ


タマゴからかえったばかりのロック・バンドが登場!



NingenOK_A

みなさ〜ん、コ〜ンニチハ〜☆ タマゴからかえったばかりのロック・バンドが集まる〈ROCKひよこ組〉の担任、タマコです。いいないいな、NINGENっていいな♪ 今回のひよこちゃんは初作『体温の行方』(POPGROUP)を発表したNINGEN OKです! ドラムとギターの2人組で、シャキーン!と鋭利なギターと、ストレンジでダンサブルでトライバルなビートを刻むドラムのせめぎ合い、そこから生まれる轟音にタマコ唸っちゃう! でもそんな無機質な音の合間で、サポート・メンバーのサキナちゃんによる鍵盤のファンタスティックでドリーミーなメロディーが温かみを加えているのが特徴なんです!

「いい意味でメロがないヒリヒリ感を意識してやってきましたが、そんな2人の上にサキナのメロが乗ってるイメージが大切だったりするんです。アルバムでの鍵盤はドラムとギターの両方の存在を際立たせるため、その〈狭間〉として欠かせない。爆音を感じてもらうためにはどれだけ〈爆無音〉が出せるかってところが重要なんですよね(笑)。オカルト・ヴァラエティーみたいな顔で演奏してる僕らに、静かで優しいフレーズがあるとより刺さりが鋭くなるんです」(サカグチケンイチ、ドラムス:以下同)。

常々〈狭間〉っていうのを意識してるんですって。ところで、ライヴではだいぶ即興性のある演奏に感じますが、初めて音源を作品化するにあたって、どういうことを考えたのかしら?

「これまで、1回30分のライヴでどれだけドラマ性を持たせて表現するかを考えながら曲を作ってきたので、アルバムにする際のイメージはすぐに浮かんではいました。でもライヴとは違うので、どうしたらリスナーさんの内側から鳴らすことができるのか、僕らとリスナーさんが音を通じて思い描く部分のコミュニケーションも考えましたね。録音も試行錯誤して、あえて臨場感をなくそうとモノラル・ミックスにしました」。

……ほ〜(タマコ、わかってる?)。実はもっとおもしろい話があるんだけど、残念ながら閉園時間です。「ライヴも作品も愛情表現」というこの子たち。〈NINGEN○○〉で統一された曲表題やジャケ写もすべて匿名性を出している(音の出どころであるメンバーの存在すら伏せたいそう)のは、音だけからその世界を感じてほしいという気持ちの表れのようです。NINGENなんてラララーララララーラー♪



ひよこ組のおともだち



NINGENCLUB 『EACH TIME EP』 Dead Funny

NINGENなんてラララーララララーラー(続き)♪ このNINGENは大阪の4人組。QUATTROやNOKIESあたりに通じるインディー・ポップ感……と思ったらNOKIESの久米くんも制作に関与してました! この清々しさ、イイです!

 

odd 『biotop』 suplex

柏と聞いて〈ハードコア!〉と思ってしまうタマコ。でもこの3人組はまた別です! ソウルフルなビートに高速メロディック・サウンドが乗ってたりするのがとてもクールで、かつてのRiddim Saunterにも通じるダンサブル&グルーヴィーな曲もあるよ!

 

あすなろう 『Take it easy』 obake

マージー・ビート風のオールドタイミーな曲やゆらゆら帝国を彷彿とさせるソフト・サイケなスロウ、チェッカーズ“星屑のステージ”を思わせるドゥワップ風ナンバーと、何とも掴みどころがない。志向が謎、っていうおもしろさがありますね。

 

after the greenroom 『Like a Blanket』 Nomadic

BEARS' BANQUETのコンピにも参加していた3人組。子供が喜びそうな、軽やかなポップソング(歌詞も若干唱歌っぽい)が印象的で、力強くてドス……いやパンチの効いたヴォーカル(女の子です!)も聴きごたえがあります!