彼の過去〜現在をまとめて知れる2作品!
TGMXの40代突入を記念する(?)2作品が到着! まず、11年ぶりとなる2枚目のソロ作『I CAN'T SING IT』は、FRONTIER BACKYARDの近作で見せたシンセ・ポップ方面に寄りつつ、随所にソウルフルな趣向を持たせたものだ。そのFBYやSCAFULL KING、CUBISMO GRAFICO FIVEの面々ら多数のゲストを招き、エレポップにピアノ・ポップ、カントリーからブレイクボット風のディスコ・チューン、はたまたゲットー・ビーツまでを披露。ハイセンスなアレンジをポップに響かせるバランス感覚はやはり抜群だ。さらにメロディー志向を強めてソングライターとしての真価を発揮しつつ、初めて全編日本語詞の曲に挑戦し、スロウなAORをエレガントに歌ってみせたりと、彼の新しい側面も窺える。
そして単行本「TGMXの音楽関係」は、LOW IQ 01やヒダカトオル、CHABEらとの対談や、これまでに演奏/プロデュース/リミックスなどで関与した作品の総括(膨大!)、バンドのメンバーや盟友が語るTGMX像、使用楽器紹介など、TGMXの濃密なキャリアが凝縮されている。付属のCDには自身のバンドやソロ作の楽曲に、DOPING PANDAやWienners、オズらのTGMXプロデュース曲も収録。スカコア〜〈AIR JAM〉周辺と並走してきた彼の歩みを追うということは、そのシーンの軌跡と拡散、現在を知ることにも繋がる。